永田町の裏を読む
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北方領土問題 プーチンの怖さをどこまで分かっているのか
よみうり時事川柳欄に「北方領カネがもの言う事有りや」という一句があったが、お見通しの通り、仮にも安倍晋三首相が盛んに口にしている「新アプローチ」が、ロシア極東地域の開発を中心とする経済協力「8項目」…
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重要テーマで曖昧なままの民進党に「再出発」は無理だ
民進党の代表選が迫ってきたが、マスコミが書くのは「何グループがどちらについた」といった話ばかりで、同党がこれを通じて、どういう理念・政策を再構築して政権奪還を目指すのかという肝心要がいっこうに見えて…
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「統計詐欺」に頼るしかなくなったアベノミクスの末路
アベノミクスが完全に手詰まり状態に陥る中で、安倍晋三首相と黒田東彦日銀総裁は共謀して「経済がうまくいかないのは、GDPや消費などの統計が間違っているからだ」という究極の国民欺瞞キャンペーンに打って出…
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日中漁業協定も読まずに「中国脅威論」をあおる愚
8月初めから数百隻の中国漁船が中国海警局(日本の海保に相当)の公船と共に「尖閣周辺」に押し寄せたことについて、日本国内の報道はあまりに扇情的だ。「南シナ海だけでなく東シナ海でも、いよいよ習近平政権が…
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「お気持ち」に応えれば改憲戦略は先延ばししかない
天皇の「お気持ち」表明についての識者コメントで、いちばんひどかったのは2人の憲法学者で、ひとりは横田耕一・九大名誉教授の「退位を希望する理由が公務負担の重さなのであれば、減らせばよい。極端に言えば、…
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これから沖縄基地問題の論戦は格段にレベルアップする
先の参院選の沖縄選挙区で現職大臣の島尻安伊子を大差で破って初当選した伊波洋一議員に、8月1日初登院の夜にお目にかかった。 「選挙前には接戦かと言われていたのに、大差でしたね」と称えると、「ええ…
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福島第1原発「凍土壁」の失敗で東京五輪返上が現実味
7月19日に開かれた原子力規制委員会の有識者会合で、東京電力が福島第1原発の汚染水対策の決め手となるはずだった「凍土壁」建設が失敗に終わったことを認めた。本来なら各紙1面トップで報じるべき重大ニュー…
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参院選の大勝で党総裁任期延長に照準を定めた3つの理由
永田町の事情通に聞くと、安倍晋三首相は参院選の大勝を得た後、自身の自民党総裁としての任期延長にはっきりとターゲットを絞って、それを軸に政局運営を図っていく腹を固めているという。 周知のように…
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参院選の結果が臨時国会のTPP関連法審議を掻乱
参院選の結果を「農業」という面から見ると、自民党の大苦戦である。いずれも農業依存度が高い東北6県と甲信越3県の計9つの1人区で、自民は何と1勝8敗。また農業生産額でも農業就業人口でもダンゼン1位の農…
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安倍政権を操る特殊イデオロギー集団「日本会議」の闇
安倍晋三首相を取り巻く右翼組織「日本会議」人脈の存在が、スキャンダルと化しつつある。きっかけは、長年この組織について調査してきた菅野完の著書「日本会議の研究」が4月末に発売されてベストセラーとなった…
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改憲派で3分の2議席をかすめとる作戦に暗雲
先週の本欄では、「自公の3分の2超はない」という前提で、「自公の安定過半数確保から単純過半数割れまでの大きな振幅の間」で選挙戦が展開されるだろうと予測した。ところが、その数日後、序盤の情勢を伝えた各…
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参院選は自公の過半数割れもあり得る展開か
いよいよ、安倍政権の命運を問う参院選が始まる。安倍晋三首相の隠された野望は、改憲発動に必要な3分の2、すなわち162議席以上を確保することにある。仮にこれを自民単独で達成しようとすると、今回の改選数…
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「初めて尽くし」が参院選の結果にどう影響するか
今度の参院選は「初めて尽くし」である。第1に、安倍政権は昨年、一片の閣議決定で憲法の根本精神を覆して、安保法制を強行成立させた。それが違憲であるという世論が大きく広がると、安倍晋三首相は、安保法制に…
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「オール野党」方式発祥の沖縄の選挙が表顕するもの
5日投開票の沖縄県議選で、翁長雄志知事を支持する「オール沖縄」与党は4議席を伸ばして27議席を確保、辺野古基地建設をめぐって国と厳しく対決する知事の立場は一段と強化された。 選挙直前に元米海…
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オバマ広島訪問に救われた国辱ものの三百代言外交
たった17文字で世相を斬ってみせる川柳の軽妙さは、江戸の昔も今も変わらない。30日付「よみうり時事川柳」に一句あって、「洋弓で射る3本の矢の行方」。この句に本日の「秀」マークを付した選者のコメントも…
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沖縄の怒りはかつてないほど深い
沖縄での元米海兵隊員による女性暴行惨殺事件が政局に与える影響は深刻で、これによって安倍晋三首相が衆参ダブル選挙に打って出る可能性はほぼ消えたとみて差し支かえないのではないか。自民党ベテラン秘書がこう…
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オバマ大統領の広島訪問は「めでたさも中くらい」
オバマ米大統領の広島訪問は画期的なことで、現職大統領として初めてのその決断は称賛に値する。が、そう言って素直に喜べない事情が日米双方に存在する。 米国では「原爆投下は戦争を早く終わらせるため…
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安倍政治を止めようという覚悟には頭が下がるが…
小林節慶応大学名誉教授が、政治団体「国民怒りの声」を結成して自身を含め比例区候補を立てて参院選を戦うと決起宣言を発した。本来は保守派であり、改憲論者でもある同教授が、安倍流の解釈改憲による安保法制に…
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北海道補選の結果から参院選の勝利が見える
衆院北海道5区補選で野党統一候補が敗れたことについて、本紙26日付の1面には「野党共闘不発の絶望」の大見出しが躍ったが、私はそれほど悲観的ではない。結果的には野党側が約1万2000票の差で敗れたとは…
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地震を口実にまた責任から逃げるのか
与党幹部や官邸周辺から「熊本地震の被害がどこまで広がるか分からない中で、消費増税は延期せざるを得なくなった」との発言が相次いでいる。 それはその通りで、20万人ともいわれる家を失った人々がい…