永田町の裏を読む
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OECD調査が示す日本の現状と「GDP600兆円」の虚しさ
安倍晋三首相は先の組閣を終えて「新内閣は未来へ挑戦する」と見えを切り、いったいどんな未来を描いてみせるのかと思えば「GDP600兆円」だから腰が抜けそうになった。 政策立案に携わる旧知の官僚…
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辺野古基地問題 民主党に必要なのは過去を捨てる「君子豹変」
翁長雄志沖縄県知事が辺野古基地の埋め立て承認の取り消しに踏み切ったのに対して、国はその執行停止と無効を求める行政手続きに出た。 知事には、この取り消しが国との話し合い解決のきっかけにならない…
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総裁選から組閣の過程で誰が最も男を下げたか
自民党総裁選から組閣に至るこの1カ月ほどで、自民党内で誰が男(あるいは女)を上げたか(あるいは下げたか)を肴に、ベテラン政治記者、自民党中堅秘書と3人で一献傾けながら評定会を開いた。最大の基準は「政…
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中国軍の近代化で沖縄の米軍基地は機能不全に
このごろ永田町の安保通や軍事専門家の間で話題になっているのが、米ペンタゴンに直結するシンクタンク「ランド研究所」の最新リポート「米中軍事スコアカード」である。台湾海峡と南沙諸島で米中が戦争することを…
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属国化を喜んで受け入れ血税まで捧げる朝貢外交
安保法案の参院審議で活躍したひとりは生活の党の山本太郎で、とりわけ注目に値するのが8月19日の質疑だった。「第3次アーミテージ・ナイ・リポート」を取り上げて、米国の「知日派」とか「ジャパンハンドラー…
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「リベラルシフト」の世界潮流から置き去りの日本
9月14日のオーストラリア自由党の党首選で、リベラル派のマルコム・ターンブル前党首がアボット現首相を破って返り咲き、その2日前のイギリス労働党の党首選では、当初泡沫扱いされていた「民主社会主義者」を…
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米軍基地内に今も放置される何百人もの沖縄県民の遺体
9月6日付の沖縄2紙に「沖縄戦後、米軍の収容所で3000人超死亡」という共同通信発の記事が出た。本土では「ジャパン・タイムズ」がやや詳しく報じたほかは2~3の地方紙が短く伝えただけだった。 …
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安保法案を花道に安倍退陣というシナリオの現実味
安倍晋三首相は1日の記者会見で、自民党総裁選に立候補すると宣言した。全派閥が安倍再選支持を表明しているという自民党内の「一強多弱」の下、他の立候補者はおらず、8日の告示日に無投票当選が確定する公算が…
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掛け声だけのアベノマジックは完全に破綻
24日の参院予算委員会の集中審議で、民主党のトップバッターに立った小川敏夫議員が「安倍政権が発足後、今年6月までに勤労者の実質賃金は7.5%下がった」「円安で輸出が増えると言ったが、4半期ごとの貿易…
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頑なに「侵略」を認めない右翼的心情が浮き彫りに
戦後70年談話とその発表会見を通じて改めて浮き彫りになったのは、なんとしてもかつての戦争が日本の「侵略」であったことを認めまいとする安倍晋三首相のいじらしいまでの右翼的な心情であった。 確か…
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戦争を弄ぶ首相は式典から叩き出されてもおかしくない
長崎の平和祈念式典で、長崎市長と被爆者代表が、目の前に座る安倍晋三首相に向かって憲法改正につながる安保法案の企みを痛烈に批判する言葉を投げつけた。このような公の席で、しかも今年は過去最高の75カ国・…
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巨大与党が知事選で事前逃亡の「存亡危機事態」
政権が末期に近づくと、「水鳥の羽音に驚く平家」のような精神衰弱的な動揺に陥りがちになる。 2日投開票の仙台市議選の結果に対する与党の反応がまさにそれで、定数55に対して自民党は前回より4議席…
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憲法学者へのアンケート結果を隠蔽して官邸に媚び売るNHK
憲法学の水島朝穂早大教授のメルマガで初めて知ったのだが、NHKが自ら行った憲法学者・行政法学者へのアンケート調査で、安保法案は「違憲・違憲の疑いあり」がほぼ9割に上る結果となったことを隠蔽していた。…
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国民と首相 バカなのはどっちだ?
支持率の下落に慌てた安倍晋三首相は、「私が直接国民に説明する」と称してあちこちテレビに出演し、「町内みんなで協力して戸締まりをしていきましょうという法案で、特定の泥棒をやっつけようということではない…
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安倍政権の対中戦略は経済・軍事両面で錯乱している
上海の株価が暴落すると日本の株価も暴落し、上海が持ち直すと日本も一息ついて2万円台回復というこの1週間ほどの市場の展開は、ほとんどお笑い草である。 金融大緩和で円安と株高を人工的につくりだし…
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安倍政権はすでに末期に差し掛かっている
6日付毎日新聞の世論調査で、内閣支持42%に対し不支持43%と、同紙の調査としては第2次安倍内閣が発足してから初めて、逆転した。女性の回答だけ見れば36対43と、すでに大逆転である。 理由は…
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「2枚看板」を下ろした安保法制は廃案しかない
憲法学者の「違憲」発言をきっかけに内閣支持率が急落し、安保法案についても反対論が増えている中で、自民党の安倍親衛隊の勉強会で「マスコミを潰せ」という反知性的な粗暴発言まで飛び出して、よろず物事が安倍…
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忘れられた「成長戦略」が示す安倍政治の本質
成長戦略がアベノミクスの「第3の矢」であったことなど、多くの国民はもう忘れているだろうが、毎年6月には出されることになっていて、22日に政府が決めたのがその3度目である。今年はまた一段と中身が薄くて…
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大メディアが報じない翁長訪米の本当の成果
翁長雄志沖縄県知事らのハワイ、ワシントン訪問については、まだ県自身が総括的な報告を発表していない。それもあって、沖縄のメディアは「一定の成果があった」と言うのに対して本土のメディアは「大した成果はな…
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安倍首相の前途に次々と湧き始めた不穏な兆し
「潮目が変わる」という政治用語がある。それまで一方に順調に流れていたかに見えた政局に急に波が立って、もしかするとこれがきっかけで逆流が生じるかもしれないぞ、というくらいの意味だが、今がまさにそれだろう…