デビュー35周年 中井貴一大いに語る
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<最終回>これで十分と思ってしまったら役者を辞めていい
私生活での言動や思考も「演じている役柄によって変わる」と笑う。役に憑依する中井が「最も難しい」と感じているのはコメディーだ。 「『コメディーは難しい』は万国共通でしょうね。どんなときに涙を流す…
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<第6回>無名女優だった吉田羊は「強い思いを発していた」
監督でもプロデューサーでもないが、中井は“演技派女優の原石”を見抜く目を持っている。今を時めく吉田羊の素質にもいち早く気づいた。NHK朝ドラ「瞳」(08年)で顔も満足に映らない端役の無名女優に注目し…
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<第5回>それぞれの役に魂が入ると面白くなる「やり台本」
7月19日からは新たな趣向を凝らしたリーディング劇「ふたりものがたり~檀」(企画・台本・演出=合津直枝)に挑む。舞台に上がるのは、中井と宮本信子(71)の2人だけ。本格的な共演はこれが初めてという。…
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<第4回>「これほど手応えを感じない舞台はない」と不安に
再開発に伴う大規模建て替えを控え、この8月、渋谷のパルコ劇場は43年間の幕をいったん閉じる。クライマックスステージのひとつとなる舞台「メルシー!おもてなし~志の輔らくごMIX~」の出演は、中井にとっ…
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<第3回>小津作品によくある“あの空気感”を目指しています
セリフそのものではなく、言葉の奥にあるものを伝えたい――。役者歴35年のベテランは、試行錯誤を繰り返している。 「セリフだからといって台本に書かれている言葉を記憶して話すと、どうしても感情より…
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<第2回>俳優の王道は世の大多数を演じられる男になること
俳優・中井貴一(54)はここ数年、意識的にナレーションの仕事をこなすようにしているという。理由は「言葉というものに真実を感じないから」だ。 「セリフの裏や奥にある感情をお客さまに見せるのが役者…
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<第1回>「視聴率に振り回されるのはすごく愚かなこと」
中井貴一(54)が今年でデビュー35年の節目を迎えた。6月、7月と立て続けに新たな趣向を凝らした舞台に挑む。日本を代表する俳優には、今だから思い至るようになったことが多い。 「自分がいちばん年…