日本の大学 ユニーク研究室
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世界で初 抽出後1時間経っても酸化しないコーヒーを発明
研究の拠点を置く、金沢大学ベンチャー・ビジネス・ラボラトリーから車で10分。山道を上ったところにログハウス風の「ビタルコーヒー研究所」がある。 廣瀬さんは“コーヒー博士”とも呼ばれる。日本コ…
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イグ・ノーベル賞を受賞した「金沢のエジソン」の頭の中
2003年、62歳の時に「ハトを寄せ付けない銅像の研究」でイグ・ノーベル賞を受賞した。 「金沢大学に入学後、兼六園で行われた新入生歓迎会に参加したとき、日本武尊の銅像にハトのふんが一切付いてい…
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日本でただ1人 犯罪者の芽を摘む「犯罪機会論」を研究
日本の大学教授で「犯罪学」を専攻にしているのは、この人だけ。世界ではメジャーな学問で、米国では犯罪学だけの単科大もあるが、日本では極めて珍しい存在だ。 「日本は“防犯後進国”です。殺人事件が起…
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日本に「同性愛」という言葉が輸入されたのは大正時代
京大の博士課程ではセクシュアルマイノリティーを研究し、大正・昭和の「男性同性愛者」の肉声や風俗雑誌の投稿を分析。先般、これらをまとめた「〈男性同性愛者〉の社会史」(作品社)を上梓した。自らもセクシュ…
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元商社マンの教授が金沢ソウルフード全国展開を目指す
就職率の高さで知られるのもうなずける。同大では教員の半分がサラリーマン経験者で、松林教授もそのひとりだ。阪大応用化学科出身で、東京の総合商社に25年勤めた後、早期退職してUターン。2年半前に経営情報…
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昆虫の羽を研究 飛行の特性を利用し「火星飛行機」開発へ
1990年ごろからトンボ、コガネムシ、チョウなど昆虫の翅を研究し、飛行の特性を調べている。 「学生時代から模型飛行機が好きでした。形状は本物に似せているのに、小さくするほど飛ばなくなる。そこに…
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着ぐるみは1体1万円 自宅で手作りしています
8月下旬、オープンキャンパスに訪れた高校生たちの注目を集めたローカルヒーローたち。これらの製作・運営を学生たちと共に行う。だが、専門は考古学、東大生時代から沖縄・琉球諸島の研究をしている。それがなぜ…
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「避難すれば必ずいいことがある仕組み」を模索している
静岡県立大の国際関係学部を卒業後はタクシーやタンクローリーのドライバーとして生計を立てていたという。2002年に早大大学院人間科学研究科に入り、ドライバーのリスク認知を皮切りに、医療、建設、災害など…
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番外編<下>「たたり」研究者と「仕掛け学」研究者
忍者学の研究者として知られる三重大人文学部・山田雄司教授(博士)はもともと、怨霊、たたりを研究していた。小学生の時に心霊写真を見て関心を持ったからだ。歴史上、天変地異の原因は霊にあると考えられていた…
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番外編<上>「不便益」研究者と「地獄絵」研究者
毎回、ユニークな研究成果を報告してくれる教授たち。これまで紹介しきれなかった中にも、へぇ~というものは多い。 京都大学デザイン学ユニットの川上浩司(ひろし)教授は、効率化された世の中であえて…
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わずか1分間の交尾で1リットルの精子を発射するゾウ
「アフリカゾウは世界に約35万頭いるといわれますが、毎年2万~5万頭が象牙を目的にした密猟の標的になっています。このままのペースでいくと100年後に絶滅してしまう。そんな危機的な状況について一般の人に…
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水素を使って腐らない野菜を作る
環境エネルギーの研究に携わる傍らで、2004年ごろから、CO2を出さない燃料として水素に注目してきた。中心とするテーマは農業の現場で使える技術だが、現在は、水素燃焼による暖房の開発に取り組んでいる。…
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素数ものさしを開発 「不便な中に新しい発見のチャンス」
効率化された世の中であえて不便な方法を選ぶことで、むしろ有益な生活を送れるという考えに基づき、不便さがもたらす益=「不便益」を研究している。 京大工学部の学生時代は人工知能を学んだ。1998…
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くノ一登場は戦後 忍者の手裏剣はフィクションだった?
忍者の世界に「くノ一」が登場するのは戦後だ。女性の社会進出とともに、映画やテレビドラマに登場し始めた。 「女性の忍者は、お城の料理人などとして派遣されていました。『くノ一の術』とは、男性の忍者…
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しのびの起源は14世紀 忍者には隠忍と陽忍がいました
今月1日、三重大学に「国際忍者研究センター」が開設された。海外への忍者文化の発信を行いながら、10月からは学部、大学院に忍者関連の授業を新設するという。中心となるのが山田教授だ。 「2012年…
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なぜゴキブリは憑かない? 妖怪は私たちの願望を映す鏡
妖怪研究の第一人者で2016年度の「文化功労者」に選ばれた。学問として妖怪研究に取り組んだのは大学時代(1970年埼玉大学教養学部卒)、文化人類学を学んでいたころだ。 「実習で訪れた秩父でお世…
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ちょっとした工夫で人間の行動を変える“仕掛け”の面白さ
男性用トイレの的――。これは「手洗いをキレイに使ってもらう」ための仕掛けだ。つい、目がけて用を足したくなるだろう。こんな仕組みを学問にした「仕掛学」の第一人者は、阪大基礎工学部、東大大学院工学系研究…
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コナンドイルも? 頭の良い人がなぜオカルトを信じるのか
専門は論理学・哲学。米国の大学で、本場のディベートと科学方法論を徹底的に学んだ。 国学院大学では20年超、「論理的思考方法」を教えている。受講者550人の人気授業で、どうすれば自分の力で考え…
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昆虫食の継承に協力 カメムシの甘みはお花畑のイメージ
大学時代の専攻は文学部の地理学。昆虫食研究は、森林組合の山仕事を手伝っていたのがきっかけだ。 「休憩時間、一緒に作業していたおじさんがアシナガバチの巣から蜂の子を取り出し、『ミルキーだぞ』と差…
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宇宙人とは数学を使ってコンタクトを取るんです
京大大学院の理学研究科人類進化論研究室出身で、専門はアフリカ地域の文化人類学だが、現在は「宇宙人とのコミュニケーションの可能性」についての研究も行う。 「コミュニケーション論では、異文化の人と…