日本の大学 ユニーク研究室
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地獄で和気あいあい? 刑を受けている亡者もうれしそう
地獄絵には国宝になっているものもあります。「地獄草紙」(奈良国立博物館ほか所蔵)と「六道絵」(聖衆来迎寺所蔵)の2つです。 「六道絵」の衆合地獄の場面には、少年に性的虐待を加えた亡者が描かれて…
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美術史ではゲテモノ扱い 地獄絵から「死生観を拾い出す」
名古屋駅から電車とバスで約1時間。キャンパスの美術棟に“あの世”について聞ける先生がいる。研究室を訪れると「地獄探訪」と書かれたTシャツを着て待っていてくれた。 「大学生の頃、平安時代末期から…
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カラス食用化に着手 1年未満の肉は鉄分とタウリンが豊富
カラス研究に関わったのは2004年。宇都宮大学大学院農学研究科修士1年のころだった。 「マイクと音声解析装置を使い、カラスの音声コミュニケーションの研究を始めました。カラスは鳥の中でも脳の知的…
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映像技術の分析で分かった UFOや心霊写真は偽物ばかり
1947年、米国の民間パイロットが、空を飛ぶコーヒー皿のような物体を目撃したということが新聞に取り上げられるや、世界中で「空飛ぶ円盤(後のUFO=未確認飛行物体)」の目撃者が出始める。日本では70年…
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VRで空を飛ぶ? 巨大ロボの巨人体験で“踏みつぶしたい”感覚
大学の敷地内にある巨大な研究室「エンパワースタジオ」で、ひときわ目を引くのが世界最大のVRスタジオ「ラージスペース」だ。全長25メートル、幅15メートル、高さ8メートルのスタジオ全体に映像が映し出さ…
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筋肉の反応を察知 暴漢に襲われても安心なムキムキのスーツ
筑波大学敷地内にプレハブの巨大な研究室がある。今回、記者が訪れたのはこの「エンパワースタジオ」だ。ここで、インタラクティブな最新技術を体験できるという。 同プログラムで、学位プログラムリーダ…
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先行なき「スナック研究」 店が多い地域は犯罪か少ない?
公共性や共同体を研究テーマにしていて、2010年からスナックについて調べ始めた。 「大学の近くの多摩地域に引っ越して、スナックが多いなあと思ったんです。試しに通ってみるとなかなか居心地がいい。…
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腐女子を研究「ボーイズラブを好む理由は純愛だと分かった」
1980年結成のバンド、AUTO―MODの元メンバーで、ユニークネス(独自性)や血液型差別、ダメ恋愛行動について研究をする。昨年、ボーイズラブ(BL)と呼ばれる男性同士の恋愛を扱った漫画や小説を好む…
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アニメの脇役で世界に知られるようになったおにぎり
ラジオ局、レコード会社での勤務経験を持つ異色の教授。コンテンツツーリズム学会の会長でもあり、地理学をベースに、アニメ、音楽、映画、観光を研究する。今年度の研究テーマは「おにぎり」だ。 「クール…
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現代の職人とタッグ 春画で表現される繊細な陰毛を復刻
2008年、日本で初めて、春画研究で博士号を取得。13年に大英博物館で開かれた大規模な春画展に携わった。15年には国際浮世絵学会新人賞も受賞している。 春画に魅せられたのは大学時代。学内の図…
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大量生産で“酸素不足”を解決 サツマイモは日本の救世主
JR紀伊駅(和歌山県)からバスに揺られて20分、緑豊かなキャンパスにすくすく育つサツマイモ畑……。鈴木高広教授は、サツマイモを大量生産することで、日本人の“酸素不足”を解決する研究をしている。 …
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近大ナマズの原点 「におわんブリ」はステーキがおいしい
マグロの養殖で知られる近大で、新たに注目されるのが「におわんブリ」だ。開発者の有路教授は、絶滅危機に瀕するウナギの代替品として、ウナギ味のナマズの蒲焼きを商品化した、養殖業の専門家である。 「…
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役に立たない? 「股のぞき」の研究でイグ・ノーベル賞
昨年9月、イグ・ノーベル賞の「知覚賞」を受賞した。大阪大の足立浩平教授とともに、「光学的・身体的変換視野の効果(股のぞき効果)」の研究が認められたのだ。股のぞきすると、天地が逆さまになる。すると、直…
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350組を“のぞき見”で調査 カップルのイチャつける距離は5m
人目を気にしやすい日本人は、環境に左右されやすい。それはカップルになっても同じだ。周囲の状況によってイチャイチャ具合が変わるという。 「空間や都市の環境が、いかに人間の行動に影響を与えているか…
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取り調べの言葉も…供述分析からえん罪の可能性割り出す
転機は09年。知人の心理学者からの依頼だった。 「03年に起きた志布志事件の供述調書について、コンピューターを使って一緒に分析しないかと誘われました」 これは、鹿児島県議会議員選挙の曽…
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状況に応じ解体再構築 ロボットアームで「建築の種」を育てる
森に囲まれたキャンパス、テニスコート。その一角にたたずむ別荘風の小屋が、松川研究室だ。松川研とその卒業生が起業した合同会社「archiroid」は現在、METoA Ginzaで開催中の「ものづくりロ…
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学生らと500羽を飼育 ダチョウの抗体はハゲをも治す
日本の大学の研究室では、まだまだ知られていない発明が日々繰り返されている。光が当たっても当たらなくても己の道を突き進む。そんな教授たちはユニークだ。面白くて希望に満ちた世界を紹介する。 京都…