没後3年 「辛抱ばい」高倉健の真実
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墨絵の如き漆黒インクに込められた高倉からのメッセージ
敷田の他にもうひとり、高倉健が信頼し、講演を承諾した親友がいる。田中節夫元警察庁長官である。親友で、高倉健が亡くなった時、最後に見送った6人のうちのひとりだ。しかし、なんと、高倉健と田中節夫はたった…
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富山刑務所の講演会で「初めまして 映画俳優の高倉です」
その後、高倉健は生涯に何度か刑務所、少年刑務所で話をしている。いずれも本人にとっては長い話だけれど、実際にはせいぜい10分程度で、長い話ではなかった。遺作「あなたへ」(2012年)の撮影後、舞台とな…
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親友の敷田稔さん 「子どもの頃からうんといい男だった」
高倉健の親友が敷田稔。旧制東筑中学以来の付き合いだった。残念なことに本書「高倉健ラストインタヴューズ」が出る前、9月12日に心不全で亡くなった。わたしはご存命の時にご自宅に行って、話をうかがった。 …
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「テネシー・ワルツって人を愛する歌ですけれど、でも」
高倉さんが信頼していたライターの谷充代さんは著書「『高倉健』という生き方」でテーマミュージックについて、こう書いている。 「(『海へ―See You―』1988年)取材二日目は、ロケ現場での立…
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あこがれを持ってますか? 僕らはそう聞かれてるんだよ
映画に流れる曲の他に、高倉健は出演映画の一つ一つに自らテーマミュージックを設定して、いつも聴いている。 「今回の映画ではこれを聴く」と決めたら、CDを10枚くらい買いこんで、控室で流す。車でも…
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撮影所で一流でないのはサインをねだるスポンサーくらい
高倉健映画の見どころというか、聴きどころは音楽だ。 たとえば「冬の華」だ。クロード・チアリが奏でるギターのインストゥルメンタルナンバー、「秀次のテーマ」はなんとも物悲しい。物語は、服役を終え…
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「言われたんです。辛抱ばい。辛抱するしかないんだ、と」
「あのね、野地ちゃん、高倉さんを怒らすとそれは怖いよ」 「どうしてですか?」 「とにかくしゃべらないんだ。ある男に怒ったことがあった。身近な仲間といってもいい。高倉さんについて、余計なこと…
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鉄道員の記者会見で 高倉健がいったん怒るとどうなるのか
では、高倉健がいったん怒ると、どういった具合になるのか。 わたしが見たのは数回しかない。一例を挙げればそれは「鉄道員」の記者会見をやっていた時だった。同作品のロケ地は富良野の近く、根室本線の…
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「高倉を使うな」 東映を退社後は映画界を干されていた
映画のなかでは怒りを腹にため、最後の最後まで決して表情に出さないのが高倉健だ。だが、現実の世界で、彼が怒った時、その怒りをどう表現するのだろうか。 わたしは1995年に初めて高倉さんの取材を…