歴史検証 この人物の光と影
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関ヶ原の戦いや安保闘争も「庚子」の今年は何かが起こる?
最終回は一つ、歴史上の人物ではなく、「日本」の光と影――わが国が本年、どういう一年になるのか、を予測してみましょう。 歴史学は占いではありませんが、常套語に「歴史はくり返す」をよく使います。…
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20年大河主役“逆臣”明智光秀はなぜ本能寺の変を起こした?
織田信長の“天下布武”に最も貢献しながら、自らがこの主君を葬った“逆臣”明智光秀――。 彼は織田家の重臣の中で、最も遅れて登場しながら、一番早く「城持ち」となっています。しかも、京都を扼する…
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鬼道で邪馬台国を統一 古代の女王「卑弥呼」の正体とは?
邪馬台国の女王・卑弥呼が、中国・魏の明帝に貢献の使者を派遣したのは、西暦239年(前年の西暦238年説あり)6月のことでした。「三国志」の名軍師・諸葛孔明が没した、4年後にあたります。 その…
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不況克服の象徴 借財20万両完済し領民を庇護した上杉鷹山
不況克服の象徴のように、米沢藩9代藩主・上杉治憲(号して鷹山)が祭り上げられるようになって、久しいですね。 徳川幕府の治世下、三百諸侯が等しく経験した財政難――これを解決した“名君”に、現代…
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敵は鎌倉幕府、足利尊氏“天皇親政”のために闘った後醍醐帝
日本の政治は、大化の改新(645年)以来、いつしか象徴としての天皇と、実権を握る帝の代行者による、二重構造の支配体制になってしまいました。天皇も国政に責任を負わされないことで、これを良しとした側面が…
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唐への留学を切り上げ密教の教義を持ち帰った空海の苦悩
空海といえば、平安時代に高野山に金峯山寺を建立し、真言宗を開いた高僧として有名です。 宝亀5(774)年、讃岐国多度郡弘田郷(現・香川県善通寺市)の地方豪族に生まれ、15歳のとき伊予親王の侍…
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恋に落ちた男のために火あぶりの刑に処せられた八百屋お七
好きな男に会いたい一心で、付け火(放火)をして処刑されたのは、ご存知、八百屋お七です。 井原西鶴の浮世草子「好色五人女」で取り上げられ、文楽や歌舞伎の世界でも有名になりました。お七の出自には…
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光秀の娘として幽閉も 家臣の刀で命を閉じた細川ガラシャ
戦国時代のドラマや小説に出てくるキリシタン女性といえば、細川忠興の妻・玉(玉子)が有名です。「細川ガラシャ夫人」とも呼称され、悲劇の死を迎えました。 玉と忠興はともに永禄6(1563)年生ま…
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劇画「首斬り朝」で浸透 山田浅右衛門の“斬首の極意”
山田浅右衛門――50歳以上の読者には、この名を聞いて、1970年代に「週刊現代」に連載された劇画「首斬り朝」(小池一夫原作、小島剛夕作画)を思い浮かべた人がいるかもしれません。 史実の浅右衛…
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浄土真宗を巨大な教団に育てた蓮如 一代で親鸞の方法転換
戦国最強の宗教集団といえば、織田信長と戦った本願寺第11世・顕如が率いる「浄土真宗(一向宗)」が有名です。この教団を弱小集団から巨大化せしめたのが、3代前の第8代法主・蓮如でした。 浄土真宗…
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家康によって切腹させられた 茶人大名・古田織部の人生
戦国時代の茶人で、主君によって切腹させられた人物といえば、千利休が有名ですが、実はもう一人いたのです。古田織部――。徳川家康によって切腹に追い込まれた茶人大名です。彼の茶器の作風は「へうげもの(ひょ…
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龍馬の遠縁・武市半平太は土佐勤王党を結成し切腹の命を
幕末に土佐勤王党を結成しながら、最後に切腹に追い込まれたのが武市半平太でした。 武市は文政12(1829)年、土佐国長岡郡仁井田郷の郷士・武市半右衛門の長男として生まれています。幼少から文武…
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「蛮社の獄」で渡辺崋山ら蘭学者を弾圧した“妖怪”鳥居耀蔵
江戸時代後期に、多くの蘭学者が弾圧された「蛮社の獄」の中心人物が、“妖怪”こと鳥居耀蔵。老中・水野忠邦の天保の改革の下、取り締まりを行った人物で、妖怪は「耀(蔵)甲斐(甲斐守=鳥居の官職)」からきて…
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家康を説得し3代将軍家光を誕生させた春日局は女傑の代表
戦国時代を代表する女性をタイプ別に3人挙げよ、と言われたら、私は山内一豊の妻・見性院と細川ガラシャ、そして春日局の名を答えます。その中で春日局は女傑の代表といえるでしょうか。 彼女は本名を「…
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自由民権運動を放り出して外遊も…板垣退助は変節漢だった
板垣退助――50歳以上の人は、この名前を聞いて100円札の肖像を思い返すでしょうか。 板垣は昭和23(1948)年に50銭紙幣の表面に登場。28年にこれが通用停止になるや、100円券の表面に…
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剣術を“道”の高次まで 剣豪・塚原卜伝の精進と求道の日々
剣豪・塚原卜伝――時代劇ファンはこの名を聞いて、宮本武蔵との一場面を思い出すのではないでしょうか。 老境の卜伝を、武蔵が背後から木刀で一撃。ところが卜伝は、鍋の蓋で木刀を受け止めたという挿話…
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旧千円札の伊藤博文は実力者に取り入って大出世を遂げた
5年後の令和6(2024)年に、お札が一新されることが発表されました。思い出すのは、伊藤博文。現在の千円札の2代前は伊藤でした。 彼が初代内閣総理大臣であったのは、ご存知のとおり。他人に取り…
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激動の戦国時代 細川藤孝はピンチを頭脳で切り抜けた
激動の戦国時代に、幾たびものピンチを乗り越えたのが、細川藤孝(幽斎)です。彼の凄味は己れ一代の栄華を誇ったのではなく、その類まれな歴史を子孫たちに正確に伝え、代々の繁栄をもたらした点にあります。 …
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“裏切り者”の代名詞に…小早川秀秋が関ヶ原で見せた阿呆さ
関ヶ原の戦いを描いたドラマで、大きな見せ場になるのが石田三成率いる西軍内での裏切りです。 筑前・筑後52万石の小早川秀秋が、味方の西軍側に攻撃を仕掛け、家康の東軍を勝利に導きました。 …
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野望持たぬがゆえ滅亡…朝倉義景は女性運のない戦国大名
「天の暦数、汝の躬に在り」という言葉が「五経」の一・「書経」にあります。天命はあなた自身に備わっている、との意。戦国大名・朝倉義景はこの言葉をかみしめるべきだったかもしれません。 義景が国主を…