香港デモ 怒りの真相
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雨傘の女神が語る「軍で学生を制圧して困るのは中国自身」
「今まで、ガスマスクなんてつけたことはなかったのに、7月に入ってから、もう何度もつけました」 5年前の民主化要求デモ「雨傘運動」で“雨傘の女神”と呼ばれた、周庭(アグネス・チョウ)は嘆息した。…
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世論の変化を生むために期待される「警官からの犠牲者」
過激化したデモ隊は5日深夜、九龍地区の繁華街、旺角の警察署を包囲した。 「凶器となるものを捨てて、すぐに解散しなさい」 拡声器越しの女性警官の言葉は、デモ隊から辛辣に返された。 …
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暴力行使する「過激派」の素顔は日本の地下アイドルオタク
現在のデモをリードするのは「勇武派」と呼ばれる若者たちだ。「――派」とつくが、特定の思想があるわけではない。デモにおいて暴力を肯定的に行使する、いわば過激派だ。そのひとりに会うことができた。 …
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「夢の国」ディズニーランドも飲み込まれたゼネストの大渦
「今日は部分的にしかオープンしていません」 “夢の国”香港ディズニーランドの入り口では、職員が申し訳なさそうに謝っていた。もともと、東京と比べて混んでいないと評判だが、夏休み中にもかかわらず、園…
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寄付に銀髪族も…警察の「誤爆」が招いた市民による総力戦
3日、デモはまたしても過激化した。九龍地区の繁華街「尖沙咀」のスターフェリー乗り場の中国国旗は下ろされ、海に捨てられた。黒Tシャツに覆面姿の「勇武派」の若者たちは、歩道の鉄柵を解体して作ったバリケー…
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自分たちを「進撃の巨人」に例えた若者たちの悲壮な決意
最前線に立つデモ隊は一様に若い。彼らの多くは学生で、貴重な夏を丸々デモに費やしている。彼らの本音が知りたくて、数人に話を聞いた。 「分かりやすく言うと、『進撃の巨人』の状態です」(参加者の男子…
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運動から革命に…過激化を容認する非暴力な抗議への無力感
7月21日のデモでは、大事件が起きた。北京政府の出先機関「中央政府駐香港連絡弁公室」の門前に掲げてある中華人民共和国の国章が、黒い液体で汚されたのだ。 これに北京政府は「中央政府の権威に公然…
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デモ隊は最新のスマホ技術を駆使し群生生物のように動く
取材していると、デモの若者たちが緊迫した場面でさえも、スマホを凝視する姿に出くわす。筆者は当初、困惑した。 「別に遊びではありません。デモで次に取る行動は、スマホで参加者全員の意見を聞くのです…
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旧日本軍を震え上がらせた超武闘派「白T軍団」のルーツ
香港郊外の元朗は、近年開発される前にはもともと田園地帯だった。7月21日夜、その元朗駅に現れた数百人もの白いTシャツにマスク姿の一団は、帰宅途中のデモ隊どころか無関係な一般人にさえ暴力を振るった。 …
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混乱の香港 自由を奪われる恐怖をあおった過去の奇怪事件
催涙弾の霧の中、完全武装の警官隊に頭を割られて血を流すデモ参加者たち――。アジアの一大観光地「香港」のイメージとは程遠い映像に衝撃を受けた人も多いのではないか。デモが始まって2カ月近くが過ぎても事態…