孤高のコロナ対策 スウェーデン現地報告
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政治家への信頼「公費でチョコレート購入」で失脚する国
「高齢者のために買い物もしているんだ」とパトリックが言った。え? と思った。 彼はニューネスハム区の議員で副議長を務めている。同区はストックホルム南部、湖に面した美しい地区で、2万7000人ほ…
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スウェーデン集団免疫戦略の背景にある実利主義と死生観
「集団免疫」がスウェーデンの大きなテーマになっている。対策の陣頭指揮に立つ公衆衛生局の疫学者アンデーシュ・テグネル氏は、「それが目的ではない」と言うが、「体内に免疫・抗体をつくって感染拡大を防ぐ。それ…
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日本と大違い 毎日午後2時に行われる各種記者会見の充実度
スウェーデンの広報体制と情報提供にも感心させられる。その公正さと徹底ぶりは、日本と大きな差がある。特に記者会見とテレビ放送で、それが顕著である。 日本では、動物園から迷い出たような小動物が、…
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週10万人のテスト体制を構築へ 大規模検査実施へ方向転換
「5月半ばから週に10万人のコロナテストを行います」 社会相のレナ・ハレングレンが、あらためて発表した。8日、連日開かれる午後2時からの定例記者会見で、テスト(PCR検査と抗体検査の両方)が具…
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死者数激増の原因は高齢者対策の失敗と行政サービスの後退
ストックホルムの北にあるベルイスハムラという町で、衝撃的な「死者数事件」が起きている。ベルイスハムラは豊かな自然に囲まれ、ストックホルム大学の学生寮が立ち並ぶ。その閑静な町の一角、小高い丘に「ベルガ…
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手厚い支援とスピード現金支給を支えた税金と国民番号制
「スウェーデンでは、雇用主は雇用者1人に対して、給与の31・42%を年金や失業保険のために税金として別途支払っている。これらが厚生資金として使われるのです」 当地で5人の従業員を雇用する経営者…
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大企業から零細、個人営業者まで…スピード支援の背景とは
スウェーデン有数の大企業「スカニア」に勤務するMさん(36)は、4月25日の給与明細を見て「減ったなあ」と、少しがっかりした。業務はバスや大型トラックのブレーキ部品の組み立て担当である。 「コ…
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政府の「国民の自主性を信頼した勧告」に8割支持した理由
都市封鎖などの厳しい外出規制をせず、「集団免疫」作戦を実行しているスウェーデンが注目されている。死者数の多さなどの問題提起もされているが、スウェーデンはなぜ独自路線を貫けるのか。現地からの報告。 …