「霊長類 消えゆく森の番人」井田徹治著
地球に生息する霊長類は496種、亜種を含めると695種が確認されている。国際自然保護連合は、そのうち266種に絶滅の恐れがあると指摘。ゴリラやオランウータンなど25種にいたっては、世界中で最も絶滅の懸念が大きく、早急に種の保存に取り組む必要があると警鐘を鳴らしている。多様性が高く、さまざまな環境に適応して生きてきた霊長類は、森の生態系にも深く関わっている。霊長類がいなくなると、森の生態系がドミノ倒しのように劣化していく可能性があるともいわれている。
本書は、ルワンダやコンゴ、ボルネオ島など、世界各地の霊長類保護の現場を取材し、生態系を守りながら彼らが末永く暮らしていくためにはどうすればよいかを考えるリポート。(岩波書店 1020円+税)