週末オススメ本ミシュラン
-
「統一教会との格闘、22年」鈴木エイト著/角川新書(選者:佐高信)
先月、石橋湛山議員連盟の研究会に呼ばれた私は開口一番、「SUT」すなわち「世襲、裏金、統一教会」から最も遠かったのが湛山だ、と切り出した。これは議連に参加している自民党議員を刺激したようで、その代弁…
-
「怖い日本語」下重暁子著/ワニブックス(選者:中川淳一郎)
「怖い日本語」下重暁子著 元NHKアナウンサーで文筆家の著者が、世にはびこる違和感のある言葉を提示し、その気持ち悪さを解説するとともに、日本社会の主体性のなさを批判する。話はテレビの「食リポ」…
-
「シン読解力 学力と人生を決めるもうひとつの読み方」新井紀子著/東洋経済新報社(選者:佐藤優)
「シン読解力 学力と人生を決めるもうひとつの読み方」新井紀子著/東洋経済新報社 言語には、読む、聞く、話す、書くという4つの能力がある。その基礎となるのは読む力だ。読んでわからないことは聞いて…
-
「対談集 ららら星のかなた」谷川俊太郎、伊藤比呂美 著/中央公論新社(選者:稲垣えみ子)
「対談集 ららら星のかなた」谷川俊太郎、伊藤比呂美 著 本との出会いは偶然の要素が大きく、書評欄はその偶然を成功に導くためのガイドなわけだが、ではその書評を書く人は一体どのように本と出会ってい…
-
『「NHKを国民から守る党」とは何だったのか?』選挙ウォッチャーちだい著/新評論(選者:佐高信)
『「NHKを国民から守る党」とは何だったのか?』選挙ウォッチャーちだい著/新評論 兵庫県議会議員だった竹内英明を自殺に追い込んだ「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志がなぜ捕まらないのかと思…
-
「お城の値打ち」香原斗志著/新潮新書(選者:中川淳一郎)
「お城の値打ち」香原斗志著/新潮新書 筆者は佐賀県唐津市在住だが、歴史通の翁と飲みに行くと力説されることがある。「唐津城はあかん。しょせんはコンクリート城じゃ。あげな形ではなかった」というもの…
-
「みんなの高校地学 おもしろくて役に立つ、地球と宇宙の全常識」鎌田浩毅、蜷川雅晴 著/講談社ブルーバックス(選者:佐藤優)
「みんなの高校地学 おもしろくて役に立つ、地球と宇宙の全常識」鎌田浩毅、蜷川雅晴 著 高校で地学は正式の科目として設置されているにもかかわらず、履修する生徒が少ない。大学入試でも地学を選択する…
-
「チェルノブイリの祈り 未来の物語」スベトラーナ・アレクシエービッチ著、松本 妙子訳/岩波現代文庫(選者:稲垣えみ子)
「チェルノブイリの祈り 未来の物語」スベトラーナ・アレクシエービッチ著、松本 妙子訳 本書は1997年に刊行され世界約30カ国で読まれており、著者は10年前にノーベル文学賞を受賞。要するに、知…
-
「日本製鉄の転生」上阪欣史著/日経BP(選者:佐高信)
「日本製鉄の転生」上阪欣史著 今度一緒に「石橋湛山を語る」(集英社新書)を出した田中秀征に真顔で「頼むからオレをほめないでくれ」と言われたことがある。私が批判した者の怨みが「何で田中だけはほめ…
-
「格闘技が紅白に勝った日 2003年大晦日興行戦争の記録」細田昌志著/講談社(選者:中川淳一郎)
「格闘技が紅白に勝った日 2003年大晦日興行戦争の記録」細田昌志著/講談社 2024年の大晦日は格闘イベント「RIZIN」が盛況のうちに幕を閉じたが、放送はU-NEXTとABEMAによるもの…
-
「日本の論点2025-26」大前研一著/プレジデント社(選者:佐藤優)
激動する国際情勢を大前研一氏が予測する。特にロシア・ウクライナ戦争に関する分析が秀逸だ。大前氏は、ウクライナのゼレンスキー大統領に対し、厳しい評価をする。 <ゼレンスキー氏は国内での求心力が低…
-
「なぜ日本は原発を止められないのか?」青木美希著/文春新書(選者:稲垣えみ子)
「なぜ日本は原発を止められないのか?」青木美希著 朝日新聞の記者だった11年前、福島の原発事故後に論説委員室へ異動となり、複数いた原発担当の一人となった。だが実を言えば私、記者人生のほとんどを…
-
「創価学会秘録」高橋篤史著/宝島社(選者:佐高信)
「創価学会秘録」高橋篤史著/宝島社 「103万円の壁」を問題にする国民民主党は公明党と同じ道をたどるのだろうなと思う。2006年のことだった。公明党は防衛庁が防衛省に格上げされることに徹底的に反…
-
「本業2024」水道橋博士著/青志社(選者:中川淳一郎)
「本業2024」水道橋博士著/青志社 浅草キッド・水道橋博士氏による83冊の「タレント本」の書評集である。664ページの大著であり、帯の「よくこれだけのモンを書いたなー! この本、重いよ! バ…
-
「冤罪 なぜ人は間違えるのか」西 愛礼著/インターナショナル新書(選者:佐藤優)
「冤罪 なぜ人は間違えるのか」西愛礼著 日本の刑事裁判は江戸時代のお白州に近い。北町奉行遠山金四郎景元(遠山の金さん)は、検察官と裁判官を兼ねている。弁護人はいない。1審制で自白偏重だ。しかも…
-
「Z世代のアメリカ」三牧聖子著/NHK出版新書(選者:稲垣えみ子)
「Z世代のアメリカ」三牧聖子著/NHK出版新書 アメリカ大統領に再びトランプ氏! 一体どうなっちゃうのと思わないわけじゃないが、不安とは結局「わからない」から来るのであり、今回の場合で言えば、…
-
「国家は葛藤する」池田清彦、内田樹 著/ビジネス社(選者:佐高信)
「国家は葛藤する」池田清彦、内田樹 著/ビジネス社 1947年生まれで山梨大学や早稲田大学の教授をした生物学者の池田が79年に山梨大の講師になって間もなく、統一教会から電話がかかってきた。 …
-
「生成AIと脳 この二つのコラボで人生が変わる」池谷裕二著/扶桑社新書(選者:中川淳一郎)
「生成AIと脳 この二つのコラボで人生が変わる」池谷裕二著 生成AIに関する論は極端になりがちである。「生成AIは人間の仕事を奪う」「生成AIを使いこなせない人間はこれからの時代についてこられ…
-
「仏教の未来年表」鵜飼秀徳著/PHP選書(選者:佐藤優)
「仏教の未来年表」鵜飼秀徳著/PHP選書 日本の仏教が抱えている問題点をわかりやすく指摘した好著だ。評者が鵜飼秀徳氏と知り合ったのは、同氏が経済誌の記者兼編集者をつとめていたときだ。鵜飼氏が浄…
-
「転の声」尾崎世界観著/文藝春秋(選者:稲垣えみ子)
「転の声」尾崎世界観著/文藝春秋 ネットが社会のインフラになったのはせいぜい十数年前と思うが、以来、世界は根っこからひっくり返ったように思う。今やそれぞれの人生の大半の出来事が、それぞれの「脳…