野良犬から寿司奪い…三遊亭白鳥さん明かした過酷下積み
新作落語の実力派として人気の三遊亭白鳥さん(53)。前座時代は言うに及ばず、二つ目時代も食うや食わず。その過酷な下積みとは……。
落語と無縁の大学生活を送った私が師匠・三遊亭円丈の門を叩いたのは87年7月。古本屋で古今亭志ん生師匠の自伝「びんぼう自慢」を買ったのがきっかけで、たまたま関西テレビの「花王名人劇場」に出演していた師匠の円丈を見て「この人だ!」と確信したんです。
ところが、弟子にはなったものの、仕事がない。その理由は私があまりにも落語を知らないくせに目立とう精神ばかり旺盛だったから。パンダのお面をかぶって高座に上がれば、古典落語しか知らないお客さんにはそりゃあ滑りまくりですよ。
他の師匠からは「バカ前座」「あいつとは付き合うな」と言われ、鈴本(演芸場)の席亭からは「雰囲気を壊す」と出禁。新宿末広亭、浅草演芸場からも敬遠され、まさに極貧でした。
住んでたのは池袋駅西口の「中谷荘」1階の4畳半。あの巨大駅からわずか約200メートルの至近距離にもかかわらず家賃は月8000円でしたから、いかにオンボロでイカガワシイ住まいか想像できるでしょ。不動産屋さんが「よしなさい。普通の人が住むところじゃない」っていうぐらいですから。