「バブルに若者憧れ」と学者 荻野目洋子が再人気のワケ
昨年がピコ太郎なら、今年は荻野目洋子(49)か。荻野目の1985年のヒット曲「ダンシング・ヒーロー」が再び脚光を浴びている。
きっかけは高校ダンス部日本一を決めるこの夏の大会で準優勝の大阪府立登美丘高がBGMに使用したこと。それが話題になり、芸人平野ノラ(39)のバブルネタを彷彿とさせる衣装と相まって若い世代に瞬く間に拡散。動画サイトの再生回数は1000万を超える勢いで、登美丘高校ダンス部は大晦日のNHK紅白にもゲスト出演が決まった。
思春期の長女ら3女の母親でもある荻野目は「当時を知らない娘たちの世代にこの曲を聞いてもらえてうれしい」などとTVでコメントしているが、当時を知る中高年世代にしてみれば、懐かしい記憶と共になぜ今、バブル時代のヒット曲なのか? と不思議に思うのではないか。
著書に「アイドル進化論」などのある社会学者、太田省一氏はこう言う。
「まず『ダンシング・ヒーロー』は日本のアイドル史のなかで、重要な位置にあるんです。百恵さんにしろ聖子さんにしろ、それまでのアイドルが振付師のつけた簡単な振り付け、手や腰を動かす程度の盆踊りに近いものだったのに対して、荻野目さんはユーロビートのダンスに初めて挑戦し、世間に受け入れられた。そして安室奈美恵さんに続くJポップ、今のダンスミュージックの流れの起点となった。言われた振り付けをなぞるダンスではなく、表現としてのダンスのはしりなんです。そんな名曲だからこそ、いまダンスをしている高校生に選ばれ、ウケているのかも知れません」