「バブルに若者憧れ」と学者 荻野目洋子が再人気のワケ
■バブルは歴史上の出来事に
くだんの女子高生たちには、バブル世代を知る親もいて、そこから服装や髪形、メークを教わったという。荻野目のダンスをただ踏襲するだけではなく、工藤静香やWinkのダンスも取り入れるなど、自分たちの表現にしているのは、曲の系譜から見ると正統派なのだろう。太田氏が続ける。
「今の若者世代にとってバブルは都市伝説みたいなもの。とても現実とは思えない異世界の出来事で、ダンスや服装をコピーすることによって、遊園地のアトラクションのように楽しみ、疑似体験しているのではないでしょうか。好景気を知らない若者世代には、タクシーをバンバン使って札束が飛び交ったあの時代への憧れもあるように見えます。私たち中高年世代のノスタルジーではなく、見知らぬ過去との全く新鮮な出合いとして、今の若者はバブルを見て、接している。それだけ時が流れた。言い方をかえるなら、バブルがすでに歴史上の出来事になっているという証左なのでしょう」
どうりで、年をとったわけだ。