「愛の不時着」現象が終わらない訳…北は韓国の“エンタメ”

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 敵対する南北を描きながらも、当時の新しい試みとして、北朝鮮の工作員と韓国の諜報員の恋愛を織り交ぜ、大ヒットとなった。

「それまでは北朝鮮というひとくくりで描かれることが多かったですが、『シュリ』では“北朝鮮人”という個人に迫ったところや恋愛対象として描いたことが斬新で、韓国人にとっては衝撃的な映画でした」(松庭直氏)

 ただ、99年公開の「シュリ」は、北朝鮮をまだ敵対国として描いている。今回の「愛の不時着」は、敵対国という描写はほとんどない。

 また、これまでの韓国作品では北朝鮮の一般の人々が描かれることはほとんどなかった。「愛の不時着」も、作品の中心人物はヒョンビン(37)が演じるエリート軍人だが、サイドストーリーとして北朝鮮の市井の生活が細部まで描かれている。これも新しい試みといえる。

■韓国にとって最大のエンタメコンテンツとなった北朝鮮

「韓国人のイメージの中の北朝鮮しか描けなかったものが、脱北者の増加で北朝鮮の生活が韓国で明らかになり、徐々に細部まで描けるようになったのです。『愛の不時着』で描かれている北朝鮮像は韓国人にとって新鮮で、また、ノスタルジーにあふれている。その部分もヒットにつながったのでしょうね。今や北朝鮮は韓国にとって最大のエンタメコンテンツのひとつになりつつあります」(韓国芸能関係者)

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