上皇さまの危機感を無視し「女性宮家」創設をタナ上げした安倍政権の現実離れ
そうはいえ、悠仁さまが結婚されて子供ができる頃には、愛子さまや眞子さまら、今の内親王は結婚されて皇籍を離れている。たとえ悠仁さまに男子が生まれたとしても、支える皇族が誰もいないのでは皇室は成り立たない。もしも生まれたのが女子だけなら、そこで皇位が途絶えてしまうのだ。
では、安倍政権はどうするつもりだったのか。
戦後に皇籍を離れた伏見宮家ら11宮家の男子に皇位を与えれば、すべて解決できると考えたのである。「万世一系の血がつながるんだからいいんじゃない」と。これで納得する方も多いらしいが、そううまくいくだろうか。
戦前と違い、現在の天皇に権力はない。その天皇を支えているのは国民であるというのが象徴天皇の姿だ。たしかに旧宮家は現在の天皇と男系でつながっているが、分かれたのは実に約600年前の室町時代である。現在の天皇家とはかなり遠い。それに11宮家は今の国民に馴染みがない。国民が彼らを皇族として畏敬するだろうか。
ちょっと現実離れした話というしかない。
ところが、菅政権の考え方は、安倍政権とは大きく違うようだ。次回はそこに触れたい。 =つづく