上皇さまの危機感を無視し「女性宮家」創設をタナ上げした安倍政権の現実離れ

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 女性皇族を宮家の当主にする「女性宮家」の創設。それは、もともと上皇さまの強いご意思であり、皇室存続のためには急がねばならないテーマであることを前回は書いた。

 ところが、この10年近く議論は進んでいない。女性宮家を創設すれば、いずれ女性天皇や女系天皇につながりかねないという反対論が強く、結局、野田民主党政権では、内親王による1代限りの女性宮家が議論されたようだが、いつの間にかウヤムヤになってしまった。もっとも、1代限りの女性宮家なんてほとんど意味をなさない。仮に50年、60年経って女性宮家の当主である内親王がいなくなれば、やはり天皇家を支える皇族は悠仁さまたった1人となるわけだから、現在の皇室が抱えている危機を半世紀先に引き延ばすだけで、何の解決にもならないからだ。

 現在の皇室が崖っぷちに立っているのは、将来、公務を担える皇族がいなくなるだけでなく、皇位を継承する皇族が悠仁さましかいないことだ。確率からすれば、血の継承が途絶える可能性がきわめて高いということである。これも、現在の皇室典範が、皇位継承者を「男系の男子」に限定しているからである。

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