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北島純映画評論家

映画評論家。社会構想大学院大学教授。東京大学法学部卒業、九州大学大学院法務学府修了。駐日デンマーク大使館上席戦略担当官を経て、経済社会システム総合研究所(IESS)客員研究主幹を兼務。政治映画、北欧映画に詳しい。

真田広之『SHOGUN 将軍』はこう見るべし! エミー賞18冠の要因、楽しむためのポイント

公開日: 更新日:

 今年の米プライムタイム・エミー賞で史上最多となる18部門を独占した連続ドラマ「SHOGUN 将軍」。世界でいま最も注目が集まっているドラマだ。なぜここまで高い評価を得たのか。「SHOGUN 将軍」を楽しむためのポイントとあわせて、映画評論家の北島純教授(社会構想大学院大学)が解説する。

 まず何よりも「SHOGUN 将軍」にはドラマとしての圧倒的な面白さがある。それを支えているのは、優れた脚本と俳優陣の演技だ。脚本を手掛けたジャスティン・マークスとレイチェル・コンドウ夫妻は、戦国時代の日本に漂着したイギリス人航海士の数奇な運命が語られるというジェームズ・クラベルの原作小説「将軍」(1975年)の基本線を維持しながらも、物語を「異文化間のコミュニケーション」を影の主題とする壮大なダイナスティードラマ(権力争奪譚)に新しく作りかえた。

 権力を巡る争いを描くドラマといえば、「ゲーム・オブ・スローンズ」を筆頭に多々あるが、「SHOGUN 将軍」は、16世紀のカトリックとプロテスタントの戦いやポルトガル貿易の利権など、これまで日本の時代劇ではあまり深掘りされてこなかった視点を取り込んだ上で、日本文化を全く知らない「異国人」と彼を助ける「通詞」(通訳)の間の対話劇を通じて、個人の損得を超えたところにある「宿命」「忠義」、「イエ」(藩)といった当時の日本的価値を分かりやすく伝え、米国人視聴者の興味を駆り立てることに成功している。

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