<1>ダイナムの新PB “ごらく”シリーズ 先行試打会リポート
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ギャンブル色を薄め、誰もが安心して遊べる娯楽へと変貌を遂げるべく動いているパチンコ・パチスロ業界。現在の主な取り組みが、射幸心をあおらない方向への遊技機規制改正だ。だが出玉の部分の魅力が失われるイメージが強く、ユーザーは決して歓迎してはいない。そんなユーザーのパチンコ・パチスロ離れに歯止めがかかる可能性を見ることになった。全国に400店舗以上を持つホールチェーン最大手のダイナムが今後、プライベートブランド(PB)機種開発を強化していくという。同社は10年前からすでにPB機を手掛けているが改めてこれを〝ごらく〟とネーミングし、ユーザーによりパチンコ・パチスロを楽しんでもらうべく発進。1月27日、“ごらく”第1弾発表会とあわせダイナムの常連客を招いた先行試打イベントが開催された。
ホールだからこそ知りえるユーザーの声
販売店はただ、メーカーが開発した機種を購入しているだけではない。ユーザーと日々接する中でその思いを間近に感じ、本当に満足してもらえる商品とはどんなものなのかを常に考えている。大手スーパーやコンビニが近年成功を収めているPB商品は、そこから生まれたものだ。パチンコ・パチスロ業界でPBに着手しているホールはわずか数社。中でも最大手のダイナムは2006年の初のPB機「CR満願チューリップ」以降、ここまで59機種を開発しリリースしてきた。パチンコ不況といわれる現在でも店舗数を増やし安定した稼働を実現できているのは質の高いスタッフの接客やサービスもさることながら、通常は範疇にない機種開発の部分をも視野に入れるという、その真摯な姿勢があってのことだった。
PB機は一見メーカーがリリースしているものと若干スペックが違っているだけに思えるが、長く打ってみればその違いの大きさは理解できる。“当たりやすい”“長く遊べる”“出玉感が十分得られる”の3要素をバランスよく満たした、絶妙のスペックが実現されているのである。実際ユーザーの多くはこの事実を知らないまま打っているようだが、他店と比較し同じ機種でもダイナムPBの方がよく稼働しているというデータこそが何よりの証し。一層機種規制が厳しくなる今後もPB機が増えることによって、より楽しく遊べるのであれば、ユーザーはうれしい限りだろう。
機種の絶妙スペックに常連客もナットク!
イベントの冒頭で株式会社ダイナムの藤本達司代表取締役が「PBはメーカー、ホール、ユーザー、すべてにメリットがある。10年間で59のPB機を供給してきたが、まだ認知も支持も足りないと感じている。新シリーズの“ごらく”機種は400店舗、年間1億を超えるユーザーのデータを駆使して練り上げた、メーカーが手掛けたものとは違う側面からアプローチした機種。パチンコを日常の娯楽としてより親しんでもらえることを目指し、今後も展開していきたい」とその思いを語り、佐藤公治取締役戦略部長が続いて“ごらく”を冠する最初の2機種、2月リリースの「CRフィーバーパワフル2018DS」「CRフィーバークィーン2018DS」について説明した。
イベントは“ごらく”2機種を含めたダイナムPB機の試打会、食事会、懇親会で構成。参加の常連客30人の第一のお目当てはやはり試打で、台に座るや否や満面の笑みを浮かべそれぞれハンドルを回す。そして、年間350日を超える出勤率を誇る日本一のダイナムファンである関口さんは「店舗の居心地が良いので何十年も通い続けているが、ダイナムしか行かないので逆にPB機種のことは知らなかった。毎日楽しく打てている要因は、この工夫された機種にもあったのかも知れない」と、今さらながら実感。フィーバークィーンが大好きで、ほぼ毎回打っているという花輪さんは“ごらく”版フィーバークィーンを試打し「短い時間だったのに3回の大当たり中、2回も15ラウンド大当たりがきた」と、かなりご満悦の様子だった。これはまさに、15ラウンド比率をメーカー仕様よりも高めてある“ごらく”版クィーンだからこその成果に他ならない。参加者はほぼ全員が大当たりを体験しイベントを存分に楽しみ、2月の“ごらく”機種ホールデビューが待ち遠しいといった表情で会場を後にした。
“試行錯誤からの誕生” PB開発チームの思い
入社当時からPBを開発することが目標だったという開発チームの須藤慎二さんによれば「規制によって出玉に満足感が得られなくなったという声が最近多いことで、少ない出玉をスペックの工夫でどう埋めるかについて、今回リリースされる2機種の開発ではメーカーと試行錯誤することになった」。その結果「CRフィーバーパワフル2018DS」は3種類の大当たり中メーンになる6Rの大当たり比率を高め、さらに時短回数は75回とメーカー仕様の50回に対し1.5倍の長さを実現。出玉を減らさずに大当たりが続く可能性は格段に高くなることが期待できる。
また伝統の「オールフルーツリーチ」の出現頻度が高めてあることも、パワフルファンのツボをおさえた工夫だといえる。一方「CRフィーバークィーン2018DS」では甘デジタイプながら15ラウンド大当たりの割合が約20%と、破格の数値を実現させた。初当たり確率はいずれも109.8%だ。