出戻りの阪神・建山に「背番号53」…ファンの複雑な心境
「んなアホな!」
思わずそう叫んだ虎ファンもいたはずだ。
25日に球団事務所で入団会見を行った阪神の建山義紀(38、前ヤンキース3A)。
「エキサイティングしている。興奮しますね」と話したが、注目すべきはその背番号。53番といえば、2009年に引退した赤星(現評論家)が背負い続けてきた番号だ。
赤星といえば、01年から5年連続盗塁王のタイトルを獲得。3割を打ったシーズンも多く、中堅手として攻守にわたって活躍した功労者だ。脊髄損傷で無念の引退という経緯もあり、惜しまれながらユニホームを脱いだ09年には沼沢球団本部長(当時)も「来年は誰にも付けさせない」と明言。その後も53番を付ける選手はおらず、球団からも半ば永久欠番のような扱いになっていた。それだけファンの支持があったからでもある。
それが年俸1500万円でシーズン途中に入団した38歳のリリーフ投手に与えられたのだから、ファンは複雑な心境だろう。いやが応でも「53番にふさわしい選手か」と注目され、不甲斐ない投球をしようものなら他の選手以上に容赦ない罵声が飛ぶことは避けられない。
そんな事情を知ってか知らずか、中村GMは「ブルペンの救世主として獲得した。百戦錬磨な経験を発揮してほしい」と、のんきな笑顔。
建山は「日本一厳しい」虎ファンからのプレッシャーにさらされることになりそうだ。