吉田類 大衆酒場100選
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1時間並んでも味わう酒場激戦区シンボルの「名物」
<やきとん埼玉屋 東十条> 開店1時間前の午後3時を回ったばかりというのに、軒先に20人ほどの先客が列をつくっている。土曜日ということもあるだろうが、その後も来るわ来るわで、開店時には数十メー…
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飲んべえの夢はトロリーバスに乗って…
<大衆酒場カネス 一之江> 「店の前にね、昔はトロリーバスが通ってたんだよ。バス停が近かったんで、そりゃあ繁盛して」 そう言って、遠くを見た。今年で御年94を迎えられた2代目女将の浅野静…
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あまたの青年が夢を語らい、そして去っていった
<新宿三丁目 どん底> ドンカクこと、オリジナルのどん底カクテル650円を飲みながらか定かじゃないが、詩人の金子光晴は「ドンカクの唄」と題し、こう詠(うた)っている。 〈ドンカクをなみなみ注…
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酒のうまい秋、肴のうまい店の暖簾をくぐる
<北千住 酒屋の酒場> 秋は飲んべえの季節である。旬の肴を熱かんでキューッとやれば、日々の憂さもどこへやらだ。そんな期待を胸に北千住駅西口を出て、目の前の飲食店街をズンズン進む。日光街道(国道…