江戸東京 町歩き
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狐がコーンと<千駄木>
すずらん通りの某店で飲む予定だった。「見知った客ばかり」との常連客の言葉が象徴する通り、教えてもらわなければ入る気にならない、そっけない門構え。人によっては、ドアを開けるのも勇気がいるだろう。 …
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ここの一番のごちそう<成瀬 2>
小田急線町田駅からJR横浜線で1つ目の駅、成瀬。「花見の穴場」と成瀬住人から聞かなければ降り立つことがなかっただろう。しかし、前回の花見の回を含めてこの短期間に3回、成瀬駅で降りている。 恩…
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桜色のパッチワーク<成瀬>
「えーっ! こんなに桜が美しいなんて!」 その日、町田の成瀬駅に初めて降りた4人は、思わず大声を上げた。 「昨日行った自由が丘の桜は、ほとんど散っていたよ」 「私だって、昨日、一昨…
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再開発で面白さは四方に広がっている<下北沢>
「下北沢で店を出そうと思ったら、六本木で出すのと同じくらいの家賃なんだもん。チェーン店ばかりが増えるのも納得」 7~8年前、甲州街道沿いの飲み屋店主が嘆いていた。“六本木並みの家賃”が本当かど…
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春キャベツのお好み焼き<不動通り>
京王線「初台」といわれて思いつくのが、まず、揚げたての巨大かき揚げが有名な立ち食いそば屋「加賀」。金はないが、ボリュームあるものが食べたい20代の頃によく行った。 次に、洋食屋「ツヴァイ・ヘ…
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きっかけはふぐ<板橋>
板橋在住のご夫婦たちと待ち合わせたのは土曜日の夕暮れ。彼らが長年行きつけにしているふぐ屋に案内してもらうのだ。 「天然とらふぐ。ここで食べたら、もうほかの店には行けない」 食通の彼らが…
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「だんらん」で心からだんらん<保土ケ谷>
先週紹介した鎌倉のカレー屋「COPEPE(コペペ)」オーナー、迫文代さんから「“料亭?”と思うレベルの料理が、ものすごく安い値段。ぜひ行ってみて」と大推薦されたのが、保土ケ谷の「だんらん」。 …
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リポーター迫文代さんお薦めの…<鎌倉>
今回は「江戸東京」を少し離れての番外編。鎌倉に行ってきた。 気に入ったのは、大佛次郎の茶廊近辺の、車一台通れるかどうかという路地。微妙なカーブで先が見えず、ドキドキする。寿福寺を通り過ぎた時…
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コーヒーの街へ<清澄白河>
今、大注目を集めている清澄白河に行ってきた。 清澄庭園近くの「旧東京市営店舗向住宅」は、昭和3年、関東大震災後の復興事業の一環で旧東京市が建設した店舗付き住宅。250メートルにわたって立ち並…
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梅を見に<赤堤・松原>
世田谷線「山下駅」から一本道で続く「ユリの木公園」は、“公園”というより“緑道”。レンガのタイルが敷かれ、ところどころにベンチがあり、いつ行っても散歩をしている人に出会える。ジョガーも多い。そういえ…
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オシャレな人が集まる街だった<銀座・コリドー街>
「当時、コリドー街で遊ぶ男女は、銀座で最もオシャレな人たちでした。そういう人が集まってくる場所だったんです」 コリドー街に店を構えて35年になる「わいんばー・ギンザ」のマスターが、在りし日を思…
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数カ月先の桜を想像しパンをかじった<東北沢~駒場東大前>
早朝の街並みを楽しもうと、朝6時52分新宿発の小田急線各駅列車に乗った。乗車前は暗かったのに、南新宿を通る頃には明るくなっていた。 東北沢駅で降りるのは、約3年ぶり。列車が地下を通るようにな…
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復興プロジェクト「かけあしの会」に会いに<上町・世田谷>
430年以上の歴史を持つボロ市に、1月15日、出掛けてきた。悪天候の前日とは一転、青空が広がり、風は冷たいが散歩するのにベストの日。 ボロ市が開かれる上町から世田谷にかけて、しょっちゅうジョ…
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めっけもんは「テーラー渡辺」<千駄木・向山>
千駄木駅から不忍通りを歩き、養源寺、蓮光寺、光源寺を眺め、根津神社に参って、根津駅へ。3時間ほどブラブラしていたか。今回の“めっけもん”は、洋服のオーダーメードを請け負う「テーラー渡辺」だ。 …
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上海の裏道がここに<歌舞伎町>
ソフィア・コッポラ監督の「ロスト・イン・トランスレーション」をDVDで見た。外国人男女が歌舞伎町をさまようシーンが繰り返し出てきたのが印象的で、歌舞伎町を歩きたくなった。 区役所通りを真っす…
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一生懸命やってるといいことあるよ<京急蒲田>
「たまたま入った寿司屋の穴子が絶品だった。昭和40年代の創業だって」 そう知人から聞き、前回の散歩とほとんど間をおかず、再びやって来た京急蒲田。1つ手前の梅屋敷から歩いた。なぜ「梅屋敷」という…
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話し始めると止まらない<京急蒲田>
「カレーは飲み物」と言ったタレントがいたが、私にとっては「餃子が飲み物」だ。 新たな店を開拓したいと友人に話したら、待ち合わせ場所として京急蒲田を指定された。「餃子の名店がいくつかある蒲田でも…
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まさかの中止だったが…<中目黒>
7日の日曜日、期待して行ったイルミネーション「青の洞窟」は、まさかの「安全確保ができないため中止」だった。 「僕たちも現地に着いてから知らされたんですよ。昨日は道が人で埋まって動けないくらい、…
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小春日和に「小春日和」と出合った<参宮橋>
カーブして先が見えない坂を上ったり、細い路地を抜けたりして適当に歩いていると、古びた煙突が見えてきた。私は銭湯が好き。小春日和だから、風呂上がりに歩いても風邪をひかないだろう。湯につかってぼんやりく…
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清志郎が愛した「四国」あり<新中野>
作家・浅田次郎氏の小説にも出てくる商店街、鍋屋横丁の最寄り駅「新中野駅」には、出入り口が4つある。よほど大きな駅を除き、たいていの丸ノ内線は出入り口は2つ。不思議だなぁと思っていたら、通称“鍋横”商…