江戸東京 町歩き
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祈る姿を見て母親を思い出す<湯島天満宮>
神田のお気に入りの中華料理屋が、中国黒竜江省チチハルの家庭料理が食べられる新店をオープンしたと聞き、予約をしたのが2月初め。初詣もしていないので、近くの「湯島天神」に参ってから店へ向かうことにした。…
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締めのラーメン代わりに<長崎佐世保>
江戸時代、佐世保は平戸藩のひなびた村にすぎなかった。今の佐世保といえば、佐世保バーガーだ。何軒もある中で、「夜10時までやっている」と長崎の人に教えてもらった1970年創業の「ビッグマン」へ向かった…
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極細筆で一気描きの三川内焼にメロメロ<長崎三川内>
中国の子供「唐子(からこ)」が喜び遊ぶ絵柄が代表的な「三川内(みかわち)焼」。この産地を見て歩く機会を得た。案内してくれたのは、「みかわち観光ガイド協会」の林博幸さん。 三川内焼の始まりは、…
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周囲に溶け込んだ古民家カフェ 乱されていない<鳩の街 曳舟>
不覚にも財布には1円玉合わせても850円しかなかった。口座があるみずほ銀行が見当たらず下ろせない。腹が減った。スカイツリー駅からきょろきょろしながら歩いたが、目についた店のランチはどこも“高額”で入…
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徒歩30秒に“幸せ谷”<大森・地獄谷>
地獄谷へ向かおうとするのを、何かが阻んでいるのか? 京浜東北線は人身事故で動かず、大混雑をかき分け乗った京浜急行は大森海岸駅には止まらず、仕方なく下車した1つ手前の立会川駅周辺には数軒の飲み屋が並ん…
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そのまんまの形<浅草>
浅草や浅草橋には、革製品を作っている店が集まっている。ただ、どこも“一般客大歓迎”という雰囲気ではなく、入りづらい。 いや、「見ていいですか」と聞くと、「どうぞ」と言ってくれるのだが、“仕事…
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本物の釜揚げシラスを食べたことがあるか<高知・安芸>
本連載も今回が2015年最後。「江戸」でも「東京」でもないが、私が最も好きな街のひとつを紹介したい。 出会いは2014年。「安芸」といえば、私にとっては「広島県の安芸」だったが、ふとした縁で…
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昔大好きだったものに遭遇<浅草>
「この辺りに塔頭(たっちゅう)がたくさんあるんよ。こういう都会ならではの塔頭って、見たことがないなぁ」 浅草寺近くで、関西出身だけど浅草に詳しいR氏がつぶやいた。塔頭とは、大寺の山内にある末寺…
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地元の銘酒「浜千鳥」で酒造り体験<岩手県釜石>
午前7時。釜石駅前に立つと、前方左手にそびえる巨大な煙突から水蒸気の煙が勢いよく上空へ立ち上るのが見えた。戦後復興の時代、この駅前には5本の煙突が立ち並び、黒煙が24時間途絶えることはなかったという…
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真っ赤な紅葉がキラキラ<大山>
江戸時代、信仰と行楽を兼ねて関東一円から庶民がこぞって訪れたのが神奈川県の「大山」だ。「大山詣で」といわれたらしい。箱根に続き、紅葉見物を兼ねて出かけてきた。 伊勢原駅から出発するバスに乗る…
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例年よりすいてる?<箱根湯本>
「警戒レベル1」になったとニュースで知り、「そうだ、箱根があった」と思った。前日に出掛けた神奈川県伊勢原市の大山は、紅葉見物で人がいっぱい。山歩きで筋肉を酷使したため、全身筋肉痛。温泉で心身を癒やした…
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美しすぎるモスク<代々木上原>
小田急線を日常的に使っているので、電車の窓から“頭のほう”が見える。上京以来20年近く、近隣に住んでいるので散歩でもよく前を通る。しかし、中に入るのは初めてである。日本最大規模を誇る「東京ジャーミィ…
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話題の春画展へ<目白 永青文庫>
話題沸騰の春画展(12月23日まで)。私が出かけたのは、開催前日。縁があって一足先に見る機会を設けていただき、鑑賞しに出かけた。 目白駅に着いたのは、指定された時間の5分前。会場である「永青…
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跳人を体験<中野>
1980年に国の重要無形民俗文化財に指定された青森県のねぶた・ねぷたが、初めて記録に登場するのは享保年間(1716~1736年)のことだとか。 現在は弘前市の行事を「ねぷた」、青森の行事を「…
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いや~山は疲れるなぁ<御岳山 後編>
「あそこにかやぶき屋根!」 前のカップルが声を上げた。御岳ビジターセンターへ向かう途中には、宿か民家か、歴史を感じる家々が連なる。背景にはくっくり青い空が広がり、実に気持ちがいい。 樹…
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弁当持って空気の美しいところへ<御岳山 前編>
東京都青梅市にある御岳山は、古くから山岳信仰の対象になっている。 新宿駅で崎陽軒の弁当「おべんとう秋」を買い、8時19分発の「ホリデー快速おくたま5号」に乗った。早く来てよかった。出発時には…
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宇喜多秀家の夢の跡<番外編 倉敷>
川幅10メートルほどの倉敷川一帯は、宇喜多秀家の時代に干拓工事が完了した。これにより広大な新田が誕生し、多くの村民がこの地に移住してきた。 倉敷は、そんな秀家の夢の跡である。秀家は五大老の身…
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あだんもかだんもないよ<八丈島(下)>
南の島のリゾートは、縄文時代から人が住んでいる長い歴史を持つ島。「八丈方言」は日本で一番古い言葉が残る言語だ。しかし、古来伝わる島言葉を話せる人、聞き取れる人は、若い人の間ではいなくなってきたという…
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天の川がハッキリと<八丈島(上)>
光化学スモッグとヘドロが社会問題となっていた高度経済成長の時代。当時子供だった私は、天の川とは、七夕の日の運が良い年だけ見えるものだと思っていた。 東京都八丈町。東京から南へ287キロ、伊豆…
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夜の村に「ショーッショッ」の声<野沢温泉村>
江戸時代から続く伝統的な祭り「湯澤神社例祭」を見に、信州・野沢温泉村に行ってきた。 「最近は休日に祭りの日程を合わせる地域も増えていますが、湯澤神社例祭は、毎年決まって9月8日、9日に行われる…