“妖怪”西室泰三の仮面を剥ぐ
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<第6回>ベンチャー企業の息の根を止めた市場の番人の罪
西室泰三は人脈がすべての人間である。日米経済協議会会長を務めるなど、つながりは国際的だ。しかし、経営者としての評価は決して高くない。2005年6月、西室は東芝会長を退任して相談役に退くと同時に、東京…
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<第5回>持病は「財界総理」になりたい病
「肩書コレクター」。西室泰三についたアダ名である。名誉欲は人一倍強い。東芝会長になった西室が密かに目指したのが財界総理の座だった。東芝は第2代経団連会長石坂泰三、第4代会長土光敏夫を輩出したが、その後…
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<第4回>東芝の闇将軍になった背景
東芝は今月7日、旧経営陣を相手取り、3億円の損害賠償を求める訴訟を起こした。外部の弁護士3人からなる役員責任調査委員会の報告書を受け、田中久雄、佐々木則夫、西田厚聰の歴代3社長と最高財務責任者(CF…
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<第3回>ツキには恵まれていた「失格社長」
西室泰三は1935年12月19日、山梨県都留市で生まれた。実家は絹織物の染色業者。小学校に上がる前から朝食前に論語の素読をさせられた。名門・武蔵中学・高校から2年間の浪人生活を経て慶応義塾大学経済学…
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<第2回>財界きっての米国通に課せられたミッション
日本郵政グループの株式公開はTPP(環太平洋経済連携協定)交渉の副産物といっていいだろう。国営のゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の上場で、国内最大の銀行と生保が誕生する。ゆうちょ銀の貯金残高は177兆円…
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<第1回>安倍政権の意向に逆らえず親子上場を強行
11月4日に東京証券取引所第1部に株式を同時上場する日本郵政グループ3社のセールスポイントは割安と高配当だ。個人投資家に照準を定めた結果、売り出し価格は、持ち株会社の日本郵政が1400円、ゆうちょ銀…