「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

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 JR東海が「2034年以降の開業」を目指しているリニア中央新幹線計画。1都6県(東京、神奈川、山梨、静岡、長野、岐阜、愛知)にまたがる巨大プロジェクトの工事が進行中だが、現場付近では原因不明の水枯れが発生している。リニア問題に詳しいジャーナリストが現地を歩いた。

  ◇  ◇  ◇

 訪れたのは愛知県春日井市の明知町。東西に丘陵地帯が広がる自然豊かな土地だが、田んぼの用水路が突然、完全に干上がったという。

 地権者の森泰輔さんは「こんなことは初めて」と肩を落とし、こう不安をもらした。

「今年の年明けに田んぼの様子を見に来たら、用水の供給源である湧水箇所から一滴の水も出ていなかった。今年の田んぼはどうなるのか……」

 近所に住む森隆光さんの庭にある池も干上がった。

「水が減り始めたのは昨年3月ごろ。つい先日、干上がりました。鯉が死なないよう水道水を入れていますが、20匹いた鯉が次々死んで、生きているのは5匹だけ。ここで生まれ育って74年、一度もなかったです」

■原因はリニア工事?

 泰輔さんも隆光さんも、そして近所のKさんも井戸を持つが、どの井戸も水位が大きく低下。3軒の家でのほぼ同時の減渇水に、隆光さんは、直線距離で約300メートル離れた場所を走るJR東海のリニア中央新幹線の「第一中京圏トンネル」の工事が原因ではと怪しんでいる。

 同トンネルには4つの工区があり、明知町に近い西尾工区(約4.5キロ)での掘削が始まったのは2019年3月。終了予定は30年1月末だ。

 地下水の水脈が工事などで絶たれると、数カ月から数年を経て地上に影響が出る。今回の減渇水がリニア工事と関係あるのではと住民が疑うのは無理もない。

 しかし、当のJR東海が住民の不安・疑念に寄り添っているとは言い難い。隆光さんの求めに応じて調査に訪れた職員は、減渇水を目の当たりにしながら「これは自然現象です」と説明して帰ったという。

 リニア工事での水源の減渇水は、過去に何度も報告されている。全長42.8キロにわたる山梨リニア実験線では1990年代から沢や川の減渇水が続き、特に上野原市秋山地区にある「棚の入沢」はイワナやヤマメの釣りの聖地だったのに、2010年8月には一滴の水も流れなくなった。最近の事例では、24年5月、岐阜県瑞浪市大湫町で14もの水源(ため池や井戸)がリニア工事で減渇水。全国報道されたことは記憶に新しい。

 JR東海は、工事との因果関係を認めた事案には代替水源の提供など補償を行うが、明知町が補償対象になるかは見通せない状況だ。

 突然の水枯れは春日井市議会でも取り上げられた。今月10日の議会で共産党の伊藤建治議員がこう問いただした。

「(民家のほかにも)現地の会社では、リニアの掘削が近づいてきた22年春から井戸水が濁り、社屋の床が波打ち、壁に亀裂が入ったが、来訪したJR東海職員は『工事と関係ないと思う』と帰ってしまった。これら被害を、市当局とJRはどう認識しているのか?」

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