企業深層研究
-
コクヨ(上)「ぺんてる買収劇」はなぜ失敗したのか…同業他社のプラスが大株主に
文具最大手のコクヨ(東証プライム上場)は9月30日、45.6%の株式を保有する筆記具ぺんてる(東京、非上場)の持ち株を全て同業大手のプラス(東京、非上場)に売却すると発表した。ぺんてるの買収劇では、…
-
KADOKAWA(下)歴彦氏の大仕事はドワンゴとの経営統合 ゲーム会社への大変貌は成功だったか
天才と言われた兄の角川春樹との骨肉の争いがトラウマになっていた歴彦は、お家騒動を繰り返さないために、脱同族に踏み切った。経営の民主化を掲げ、創業家が大半を所有していた株を売り、同族経営からの脱却を目…
-
KADOKAWA(上)五輪汚職で角川歴彦会長が辞任「兄に続く逮捕」の衝撃
五輪汚職の贈賄側の“主役”の一社、KADOKAWA(東証プライム上場)で、逮捕・起訴された会長の角川歴彦(79)が10月5日、会長を辞任した。同日、社長の夏野剛(57)が謝罪会見を開き公表した。ただ…
-
日本電産(下)次期社長はやはり永守重信氏なのか…“生涯CEO”への道をひた走る
日本電産の永守重信・代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)、小部博志・代表取締役社長兼最高執行責任者(COO)の新体制が発足した。 2023年4月、社名をニデックに変更するのに合わせて、5…
-
日本電産(上)大番頭の小部副会長が社長ショートリリーフ 永守会長とは「親分と子分」の関係
日本電産の永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)は8月28日に78歳になった。超ワンマン経営者だから、面と向かって誰も何も言わない。「本音で忠告するような危険を冒さない」(日本電産の役員OB)。後継…
-
HIS(下)赤字解消の“ウルトラC級の切り札”は資本金1億円への減資
コロナ禍で旅行需要が“蒸発”した旅行業界のなかでも、エイチ・アイ・エス(HIS)は海外旅行が主体だっただけに打撃は大きかった。生き残りのために資産売却、事業売却に動いた。 創業40年目を迎え…
-
HIS(上)ハウステンボス売却は“日米経済安保”に発展か…不動産取引の裏に隠された深刻事態
旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)は傘下の大型リゾート施設、ハウステンボス(長崎県佐世保市)を香港の投資会社PAGに667億円で売却した。 HISはハウステンボス株式の66.7%にあたる全…
-
串カツ田中HD(下)「助成金頼み」の黒字化…本格離陸はいつになるか
白いテント地の看板に「名物串カツ田中 大阪伝統の味」と書かれている。関東圏を中心に直営とFC(フランチャイズ)で300店余りを展開する「串カツ田中」の店舗だ。 「意外に思われるかもしれませんが…
-
串カツ田中HD(上)創業社長交代を生んだ「まん防」下の誕生パーティー
居酒屋チェーン「串カツ田中」を運営する、串カツ田中ホールディングス(HD=東証スタンダード)は6月15日に開いた取締役会で、坂本壽男取締役(46)の社長昇格を決めた。創業者の貫啓二社長(51)は代表…
-
AOKI HD(下)五輪汚職事件で絶体絶命のピンチ…危機脱出の手だてはあるのか?
青木拡憲前会長は2021年4月2日、長野県大町市で聖火ランナーを務めた。長野は青木氏が生まれたところであり、AOKIホールディングスの創業の地でもある。 故郷に錦を飾った彼は、周囲に「高橋(…
-
AOKI HD(上)“タタキ上げ”経営者の悲劇…創業者・青木前会長が贈賄容疑で逮捕
東京地検特捜部は8月17日、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の元理事・高橋治之容疑者(78)を受託収賄容疑で、AOKIホールディングスの創業者で前会長の青木拡憲(83)、前会長の弟で前副会長・…
-
パソナグループ(下)東京五輪の人材派遣を独占「すべての利権は竹中に通じる」と大炎上
東京五輪・パラリンピックの業務委託をめぐり、組織委員会から委託を受けた電通など広告代理店大手や人材派遣大手、パソナグループの実態が明らかになった。 パソナは人材サービスのカテゴリーで東京20…
-
パソナグループ(上)竹中平蔵会長は“政商”と呼ばれ続けたが、岸田政権で出番減か?
総合人材サービスのパソナグループは8月19日開催の定時株主総会をもって、竹中平蔵会長(71)が退任した。 2009年8月から取締役会長を務めてきたが、本人から「若いリーダーに託したい」と退任…
-
フジテック(下)中国市場で敗れインドに軸足移すも…「物言う株主」から不興買う
フジテックの創業者、故・内山正太郎氏は立志伝中の人物だ。中国から復員し、1948年に大阪市西区でエレベーターの製造・販売・保守を目的とした富士輸送機工業(現フジテック)を設立した。30歳の時だ。 …
-
フジテック(上)内山高一社長の取締役再任案を株主総会直前に撤回
東証プライム上場のエレベーター・エスカレーター専業のフジテックは6月23日、滋賀県彦根市の本社で定時株主総会を開催した。総会開催を1時間後に控えた午前9時、創業家出身の内山高一社長(71)の取締役再…
-
大王製紙(下)脱創業家を掲げた佐光氏と中興の祖の“壮絶バトル”の行方
カジノで散財し尽くした井川意高の父親で、大王製紙の中興の祖と呼ばれた高雄は2019年9月19日、心不全のため死去した。享年82。 大王製紙は新聞用紙、段ボール原紙など産業用紙のメーカーだった…
-
大王製紙(上)佐光会長はなぜ、株主総会直前に取締役候補を辞退したのか
大王製紙は6月29日、愛媛県四国中央市の四国本社で定時株主総会を開催した。総会直前、佐光正義会長を再任する議案を取り下げた。「株主からの信任が得られない」と判断し、佐光会長から候補を辞退する申し入れ…
-
資生堂(下)「プロ経営者」魚谷雅彦社長の正念場 マジックは種切れか
資生堂は日本コカ・コーラで数々のヒットCMを手掛けた、マーケティングのプロの魚谷雅彦氏に、低迷していたブランドの再生を託した。同氏は2014年4月、資生堂の社長に就任した。役員の経験のない外部の人間…
-
資生堂(上)生産の国内回帰を鮮明に アジアへの輸出拠点の福岡久留米工場が稼働
資生堂は工場の日本回帰を進めている。 福岡県久留米市に新設した工場が5月26日、報道陣に公開された。中価格帯のスキンケア製品「エリクシール」や「アクアレーベル」を中心に生産。2026年以降に…
-
旧村上ファンド(下)地銀の大株主に浮上 再編のカードは東京きらぼしFGか?
旧村上ファンド系の投資会社、シティインデックスイレブンスが保有していた新生銀行の株式をすべて、SBIホールディングス(HD)に売却した。SBIHDが新生銀に対して実施した株式公開買い付け(TOB)に…