マスク越しに見た珍プレー好プレー
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<第14回>江夏さんはサインを出す前にもう投げてきた
江夏豊さんにもお世話になった。ワシが広島に入団した1978年に、南海から移籍されてきたからカープでは“同期生”。もちろん、7歳年上の江夏さんはすでに大投手じゃったけど、いろいろと目をかけていただいた…
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<第13回>捕手谷繁に超一流の技を見た
入団1年目の春季キャンプ。ブルペンでの投球練習で、先輩投手の福士敬章さん(故人)から3度も顔面にボールを当てられた。「次、カーブ」と言いながら、真っすぐを投げられ、ミットが追いつかなかった。3度とも…
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<第12回>原辰徳に見せつけられたド根性
ライバル巨人の主砲・原辰徳に並々ならぬ対抗心を燃やしていた広島のベテラン・福士敬章さん(故人)は、その日もためらうことなく、胸元の真っすぐで攻め続けた。 優勝争いのさなかの直接対決。2点差で…
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<第11回>もし直球リーグがあったらNO.1打者は「原辰徳」
カープに津田恒実という投手がいた。 全盛期に脳腫瘍に侵され、93年に32歳の若さで亡くなってしまった「炎のストッパー」。ワシが球を受けた投手の中でも直球のスピードと威力は群を抜き、今も左の手…
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<第10回>スパイクなしで打席入り クロマティの運動靴事件
前人未到の3度の三冠王を獲得した落合さん(博満氏=現中日GM)とセ最後の三冠王である元阪神のランディ・バースには共通点があった。 選球眼がいい、ボール球を振らない、並外れた集中力がある。これ…
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<第9回>前人未到の大記録もなるほど納得
ロッテ時代に前人未到の3度の三冠王を達成した落合博満さん(現中日GM)は、中日移籍1年目の1987年もいきなり打率.331、28本塁打、85打点の成績を残した。 相手は、球界最強打者である。…
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<第8回>あのセンバツから30年後に聞いた江川の告白
73年のセンバツ甲子園準決勝で広島商業は栃木の作新学院に2-1で勝った。難攻不落、不沈艦といわれた江川卓に土をつけたものの、この試合で8四球を出した怪物が本来の調子でないことは明らかじゃった。 …
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<第7回>ナマ江川の衝撃
我が広島商業は、順調に勝ち進めば準決勝で栃木の作新学院と激突することになった。江川卓という怪物投手を攻略しなければ、広商の日本一はない。大会前から、迫田穆成監督(現広島・如水館監督)考案の「江川練習…
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<第6回>広島商「打倒・江川卓」へのミーティング
栃木・作新学院の江川卓が初めて甲子園に出場した73年のセンバツ。事前情報で「バットにボールが当たらない、バントすらできない」と聞いていた怪物投手を攻略するため、我が広島商の迫田穆成監督(現広島・如水…
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<第5回>元巨人・江川 今すぐプロに入っても20勝する化け物だった
奈良・智弁学園の初優勝で幕を閉じた今年のセンバツ。今から43年前の73年4月6日、ワシも甲子園の決勝の舞台に立っていた。結果から言うと、神奈川の横浜高に1-3で敗れ、我が広島商業は準優勝。じゃけど、…
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<第4回>中日・大野 捕手サインに164回も首振りつくった2つのギネス記録
昨年までお世話になった中日の注目は、なんといっても左腕エースの大野雄大(27)じゃね。 昨季、大野は2つのギネス記録をつくった。いや、実際にギネスブックに申請したわけじゃないけん、正確には「…
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<第3回>広島・黒田 元メジャーのハクに球審の手も上がる
チームの雰囲気の良さが伝わってきた。 広島のキャンプ打ち上げの日、手締めの円陣でのひとコマよ。真ん中で音頭を取る選手会長の小窪の後ろで、普段は寡黙で喜怒哀楽を表に出さんタイプの緒方監督がなん…
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<第2回>巨人阿部 投手をのせる「速さ」と「アバウトさ」
グラウンド外のゴタゴタが続いたけど、今年の巨人は阿部慎之助(37)次第だと思う。一塁から本来のポジションに戻って、捕手として100試合以上に出場したら、巨人は強い。中日のバッテリーコーチとして見てい…
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<第1回>ヤクルト山田 過去の強打者を凌駕する意外な一面
14年から昨年までの2年間、谷繁選手兼任監督のもとで中日のバッテリーコーチを務めた。その間、チームは4位、5位とBクラス。課題といわれた正捕手育成も確固たる成果を出せんかった。力不足と反省している。…