<第1回>ヤクルト山田 過去の強打者を凌駕する意外な一面
14年から昨年までの2年間、谷繁選手兼任監督のもとで中日のバッテリーコーチを務めた。その間、チームは4位、5位とBクラス。課題といわれた正捕手育成も確固たる成果を出せんかった。力不足と反省している。
きょうからこの日刊ゲンダイの紙面を借りて、自分の野球人生や野球を通して得た仲間、先輩、後輩、ライバルのことなどをざっくばらんに振り返ってみようと思う。ワシの性格じゃけえ、話が大きく脱線することもある。そのつもりで、楽しんでくれたら幸いです。
まずは、昨年まで中日を大いに苦しませてくれた、セ・リーグ各球団の話から始めよう。ディフェンディングチャンピオンのヤクルト。これはもう、トリプルスリーを達成した山田哲人(23)を語らずして先には行けんじゃろう。
昨年の山田と中日の対戦成績は打率・300、10本塁打、21打点。打率は対巨人の・219に次ぐ数字じゃったが、本塁打と打点はリーグで最も多く献上した。彼が厄介なのはやっぱり、足があることよ。リーグ・ナンバーワンのスラッガーなわけだから、当然、どこの球団も打撃フォームを崩そうと厳しい内角攻めを指示していたと思う。