阿久悠vs松本隆 歌謡曲とその時代
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「一瞬の勝利」の天才と「永遠性」の天才
阿久悠のセールス面での最大の成功は、ピンク・レディーだ。1976年8月のデビュー曲「ペッパー警部」こそヒットチャート4位が最高だったが、2曲目の11月発売の「S・O・S」から、78年12月発売の「カ…
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森進一の「地球一周」も小林旭の「無国籍」も“非日本的”
1982年、松本隆はそれまで縁のなかった森進一の曲を書くことになった。CMとのタイアップ曲で代理店からの依頼に「演歌は書けない」と言ったら、「演歌でなくていい」と言われて引き受けて書いたのが、「冬の…
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“敗北”のヒロインは「津軽海峡」と「ロシア」へ向かった
阿久悠と松本隆に共通するのは、意志を持った女性、自立する女性を描いているという点だ。 失恋しても、男にすがりついたり、泣きわめいたり、男を恨んだりする女性は登場しない。彼女たちはきっぱりと決…
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やせ我慢の美学「ボギー」から「草食系男子」ジミーへ
阿久悠が沢田研二のために書いた最初の曲は1975年の「時の過ぎゆくままに」で、言うまでもなく、映画「カサブランカ」の劇中で歌われる「As Time Goes By」がベースにある。 以後、数…
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セーターもハンカチーフも恋人の「思い出の品」ではない
1970年代後半から80年代前半にかけて、ヒットチャートで競い合った2人の作詞家――阿久悠と松本隆。ヒットメーカーの名曲を作家の中川右介氏が5つのキーワードからひもとく。 歌は一編のドラマで…