73歳・デイサービス従業員 哀愁の日々
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やがてくる死、101歳女性の静かな覚悟「来年は遠い空の彼方からすてきな声を聞かせて」
5年間、デイサービスで働いてきた。これまですんでいた出版業界とは異なる人との出会いが、生涯の宝物となった。最後に、デイサービスという職場に身を置いたからこそ体験できた話を紹介したい。 主人公…
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「その気がなくて…」ヘルパーの色仕掛けをシャットアウトした男性の賢い対応
午前9時45分が、池端史郎さんのお迎え時刻だ。 その時刻に、僕が運転するワンボックスカーを家の前に止める。添乗員の小池さんが車から降り、玄関のベルを鳴らす。2、3分して池端さんは、男性ホーム…
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「外に出ようじゃねえか」狂犬のような新人職員にすごまれた!
すべてとまでは言わないが、デイサービスで働く人間の中には「関わりたくない」としか表現できない輩(やから)もいる。30代後半に見えるその新人は最悪だった。 「きのう、店の前に求人の張り紙があって…
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まさにミステリー! 83歳認知症女性の見事な“供述”とストーリー作り
デイサービスを利用する高齢者には、程度の差こそあれ、認知症の症状が見られる。当然、しばしばコミュニケーションの齟齬(そご)が生まれ、それが思わぬ展開を生じてしまうこともある。 「相手は認知症の…
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「長髪は不潔、不良」と信じる同僚と一触即発の状況が…!
戦後間もなくの、1947、48、49年生まれは、団塊の世代。その世代は、中学、高校時代に世界を席巻した「ビートルズ」にちなんで、ビートルズ世代とも称された。そこからGS(グループサウンズ)ブームが到…
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少年が急に飛び出してきた! 時給950円で人生暗転の危機に
デイサービスに勤めていて、注意しなければならないのは意地の悪い先輩、ベテランヘルパー、店長、本社の担当部長などさまざまだが、なんといっても恐ろしいのは交通事故だ。5、6年前の話だが、デイサービスの車…
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ヘルパー養成講座で肉感的な28歳の若妻と出会ったが…
母親の認知症発症を機に介護を学ぼうと考えたのは7年前の9月だった。今後の生活資金の先細り対策としてヘルパーになるという思いもあった。ネットで「ヘルパー2級・短期育成講座」の広告を見つけた。入学金・授…
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泣きたくなる! 少し前まで「先生」と呼ばれていたのに…
ヘルパーの給料は安い。時給1000円前後で、訪問ヘルパーの最高クラスでも2000円程度だ。「特別な能力を必要とせず、年齢を問わず働けるから」などと言われる。しかし、経験者の僕には異論がある。それなり…
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今は時給950円 その15倍稼いだ頃の話に花を咲かせていると
遅番のある日、出版業界時代の友人と久しぶりに会い、ファミレスでランチした。 「いまや、時給950円のパートタイマー」 自嘲を込めて言う。30年以上前、僕が仕事をしていた週刊誌の原稿料は…
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老人1人分用に天ぷら10点を買ったデイサービスの従業員
デイサービス施設従業員の中には、「???」と感じてしまう言動の人が少なくない。利用者のお年寄りではなく、従業員の話だ。だが、いちいち目くじらを立てていたら、ここでは働けない。 山野さんは37…
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高齢者との会話で半生浮き彫り…家族と疎遠の老後の哀しさ
ここのところ、青木さんの顔色が悪い。もともと、あまりいいわけではない顔色が、なおも土色に沈んでいる。 でもきょうは、午前11時すぎには姿を現し、おいしそうに肉豆腐の昼食も平らげていた。 …
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フーゾク? 添乗員のサービストークがとんでもないことに
お年寄りを、デイサービスから自宅にお送りする時刻になった。第1便は、おばあちゃんが5人、運転手は僕で、添乗員は九州出身、45歳の男子職員の小池さんだ。 乗客を飽きさせないのも添乗員の仕事。さ…
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母親が「オレオレ詐欺」に200万円だまし取られた!
10年ほど前の春、千葉県で一人暮らしをしている87歳の母親が、妙な電話をかけてきた。 「久雄はどうしている」 三男のことだが、これまでそんな電話はなかったので不審に思った。 「い…