本橋信宏 萌える火曜日
-
迷ったら歩くようになった
寒い。 氷点下30度以下の寒気が流れ込んでいるらしい。 あのときも、こんな寒さだった。 30年以上前の深夜1時、高田馬場の仕事場から歩いて、西落合の住まいに帰ろうとした。 …
-
西日の差し込む図書館でいつも読書をしていた同級生は今…
西日の差し込む図書室で、昼休み、いつも読書している同級生がいた。 1974年秋。 1学年400人以上の男子校だから面識はなかったが、身長が高く、丸坊主だから、運動部所属なのだろう。 …
-
今でも貫井、富士見台といった地名を見ると、あのときを思い出す
厚生労働省によれば東京都の最低賃金は時給1163円だという。 最低賃金で苦い思い出がよみがえった。 私が高校生だった1973年2月下旬、高校2年に上がる前の春休み、高校の同級生Nクン…
-
ビートルズと併走できなかった世代は、よりビートルズを追いかける
彼を初めて見る人は、一瞬、ぎくりとするはずだ。 前々回、このコラムで紹介した、背中まで伸びたグレーの長髪、ヒゲ、眼鏡の人物。 高円寺「本の長屋」というイベントスペースで不定期に催され…
-
ちょっと舌っ足らずの少女のまま、中山美穂は私の中で息づいている
1986年晩夏。 買い替えたクルマでかける曲は、中山美穂のシングル「ツイてるねノッてるね」(作詞・松本隆、作曲・筒美京平)だった。 そのころ私は、高田馬場に仕事場をもうけ、所沢の実家…
-
高円寺ならではの夜
古書にカレー、ギター、古着とくれば、中央線の高円寺である。 2日前、「本の長屋」(杉並区高円寺北3-8-13)という高円寺ならではの長屋に呼ばれた。 西館と東館にある4つの施設からで…
-
私がどんなときでも精魂込めてサインを書く理由
この光景はいつかどこかで見た。 既視感。 先週日曜日、午後3時と夜7時の2回にわけて催された私のトークライブでのことだ。 参加者の善男善女がドリンクとお皿に料理を盛って腰かけ…
-
マル・エヴァンスが残した超一級資料
分厚い。 800ページにおよぶ辞書のようなボリュームだ。 「マル・エヴァンズ もうひとつのビートルズ伝説」(ケネス・ウォマック著/松田ようこ訳/シンコーミュージック・エンタテイメント)…
-
都市伝説の真贋やいかに?
物書き稼業歴44年になる。 この間、都市伝説化した噂を耳にすると、ほんとのところは何なのか、事情を知る関係者にあたってきた。 地方に行ったとき、タクシー運転手からの話はつい身を乗りだ…
-
日本ハムは昔、12球団一の不人気球団だった
「ロサンゼルス、おめでとう!」 ドジャースタジアムで歓喜のファンに発した大谷翔平選手。 まさか移籍1年目でワールドチャンピオンになるとは。やはりもってる男だった。 大谷の強運は…
-
桐島聡の一生を描く実名映画「逃走」の初号試写に行ってきた
全国いたるところに貼られていた男の映画が完成した。 東アジア反日武装戦線による連続企業爆破事件の指名手配犯・桐島聡の一生を描く実名映画「逃走」(足立正生監督)の初号試写に行ってきた(来春公開…
-
NHKスペシャル「ジャニー喜多川“アイドル帝国”の実像」はガス抜きか
先週日曜日夜「NHKスペシャル ジャニー喜多川“アイドル帝国”の実像」が放送された。 私が最も感慨深かったのは、元フォーリーブス北公次著「光GENJIへ」(データハウス・1988年刊)をはじ…
-
街録chに出た
有名無名を問わず、会いたい人物からひたすら話を聞き出す、YouTubeの人気チャンネル「街録ch~あなたの人生、教えて下さい~」に顔を出した。 三谷三四郎ディレクターが街頭でビデオカメラを回…
-
今、サウナが熱い!(当たり前か)
アウフギーサー(熱波師)からロウリュであおられて、ととのったあとのオロポがうまい! 今、サウナが熱い(当たり前か)。 黙って入るサウナから今やパフォーマンスの世界へ。高温ブーム、熱波…
-
キングオブ放蕩息子が旅立った
「ポロアラメキカーナっつうの。ポロはポージョーのことで、メキカーナはメキシコ風」 飯倉片町の老舗イタリア料理店「キャンティ」で、川添象郎が司会をつとめる鼎談シリーズが何度かおこなわれた(「団塊…
-
いやあ、入稿ぎりぎり粘ってよかった
また打った、走った。 日本時間月曜日早朝、この原稿を書いている最中、ドジャースの大谷翔平選手が九回の打席で起死回生の53号ソロを放った。 この日は5打数4安打、2得点、2盗塁、打率を…
-
ドヤ街を愛した「ミス慶応」高橋茉莉さんのこと
9月4日、千代田区のマンション敷地内で倒れている女性が発見された。 死亡した女性は高橋茉莉さん(27)、4月28日投開票の衆院東京15区補選で国民民主党が擁立する予定だったものの告示直前に公…
-
義父の最大の趣味は読書だった
女房の出身地は青森県北津軽郡である。 津軽の冬は厳しい。女房の父(私にとっての義父)は、小学4年で中退している。農作業の手伝いで、勉強どころではなかった。 肉は年に1度、食べられれば…
-
石田純一は「不倫は文化」だとは言っていなかった
「父は文化好きで、オペラ、クラシックが好きでした。家中にレコードがありましたから」 石田純一さんと会った。 “文化”という言葉は石田父子のパワーワードなのだろう。 週刊女性の名…
-
「降りたことのない駅」には何がある?
<「近すぎる」 西武新宿線都立家政駅に降りた私たちは、南口改札口を出て踏切に立つと、信じられない光景に出くわした。> 今週書店に並んだ「東京降りたことのない駅」(本橋信宏著・大洋図書)…