「里親と特別養子縁組」林浩康著

公開日: 更新日:

「里親と特別養子縁組」林浩康著

 生みの親の元で育つことができない子どもは昨年秋の時点で国内に3万3157人、その約25%が里親家庭で暮らしている。一方、特別養子縁組の成立件数は近年500~700件台で推移し、漸減傾向にあるという。

 里親や養子縁組した養親の重要な役割に、大切にされる体験を提供して生きる土台としての子どもの自尊心を育むことがある。しかし、里親や養親になる人の多くは不妊や流産などの大きな喪失感を抱えている傾向にあり、それが子どもに対する過度な所有感や期待を強化することもある。成長とともに親の期待に応えることができず子どもは自己否定感を抱え、養親子関係の悪化要因となる。

 こうした里親と特別養子縁組という制度の意義や実態、そして課題について実例を紹介しながら解説したテキスト。

(中央公論新社 902円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」