高市首相が上限超え献金問題に「議員個人と異なる」の欺瞞答弁…これが政党支部“私物化”の実態だ

公開日: 更新日:

「政党支部は議員個人とは明らかに異なる別の主体」「政党支部を支持する企業・団体から寄付を受けること自体が不適切とは考えていない」

 3日の参院本会議で、そうカンペを読み上げたのは高市早苗首相だ。代表を務める自民党支部が昨年、当該企業の資本金に基づく上限を超える献金1000万円を受け取っていた問題について、認識を問うた立憲民主党の吉田忠智議員にシレッと答えたのだ。

 謝罪の言葉は一切なし。政治家が代表に就く政党支部は、1999年に禁じられた政治家個人への企業・団体献金の抜け道として機能し、私物化の実態は「政治家個人の財布」との指摘が絶えない。高市首相が代表の「自民党奈良県第2選挙区支部」の政治資金収支報告書を見ても、詭弁は明白だ。

■巨額献金の主は新総理誕生まんじゅうを販売

 昨年は約1億8049万円をカキ集め、うち企業・団体献金の額は約6178万円。半分近い3000万円は奈良市の宗教法人「神奈我良」によるものだ。奈良県内で観光業や不動産業を手がける「ノブレス」グループの経営者・川井徳子氏が代表の宗教法人で、彼女は個人でも1000万円を支部に献金していた。

 川井氏が会長を務める奈良市のホテル業「ワールド・ヘリテイジ」は11月から「誕生新総理!さなえちゃん紅白まんじゅう」を販売。同社によると政治家関連の商品展開は初めてで「高市さんが『奈良の女』ということで仕入れ先から話をいただいた」(同社関係者)という。首相就任を祝って、まんじゅうを売り出すほどだから、巨額献金が政党ではなく、高市氏個人を支持したものなのは間違いないだろう。

■経費にサナエタオル

 支出も思わず目をむく。組織活動費の「行事費」の項目に「プリントマフラー代」として計3回、総額約157万円を計上。過去3回の総裁選出馬のたび高市陣営が掲げた「Fight On‼ Sanae」の文字入りのような「サナエタオル」の製作費とみられる。

「以前は政治資金パーティーの引き出物でしたが、2021年の総裁選で注目され、1枚2000円でオンライン販売すると1500枚が即、完売。日本最大のフリマサービス『メルカリ』でもサナエタオルは多数出品され、人気となっています」(地元関係者)

「議員個人」のグッズそのものではないか。ちなみに、支部の報告書に記載された連絡先に電話すると「はい。高市事務所です」と応対されたことも付け加えておく。

  ◇  ◇  ◇

 自民党の「政治とカネ」にまつわる最新ニュースは、関連記事【もっと読む】【さらに読む】などでも詳しく報じている。

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  3. 3

    狭まる維新包囲網…関西で「国保逃れ」追及の動き加速、年明けには永田町にも飛び火確実

  4. 4

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 5

    国民民主党“激ヤバ”女性議員ついに書類送検! 野党支持率でトップ返り咲きも玉木代表は苦悶

  1. 6

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  2. 7

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する

  3. 8

    高市政権ゴリ押しの“夫婦別姓潰し”政策「旧姓使用の法制化」が法律面でも大混乱

  4. 9

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  5. 10

    2026年から「病人増税」が始まる…高額療養費「新見直し案」では現役世代が負担増の憂き目に

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  4. 4

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  5. 5

    狭まる維新包囲網…関西で「国保逃れ」追及の動き加速、年明けには永田町にも飛び火確実

  1. 6

    和久田麻由子アナNHK退職で桑子真帆アナ一強体制確立! 「フリー化」封印し局内で出世街道爆走へ

  2. 7

    松田聖子は「45周年」でも露出激減のナゾと現在地 26日にオールナイトニッポンGOLD出演で注目

  3. 8

    田原俊彦「姉妹は塾なし」…苦しい家計を母が支えて山梨県立甲府工業高校土木科を無事卒業

  4. 9

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  5. 10

    実業家でタレントの宮崎麗果に脱税報道 妻と“成り金アピール”元EXILEの黒木啓司の現在と今後