芸術にタブーなし「春画展」引き受けた細川元首相の“義侠心”
国内初となる本格的な春画展の概要発表会見に細川護熙元総理(77)が登場した。
今年9月から開催される同展は細川家伝来の文化財を公開している「永青文庫」(東京・文京区)の主催。理事長として出席した“殿”は「出版物ではすでに無修正で流通しているのに、実物が見られないのはおかしい。そういうタブーは破っていかないといけない」と熱弁。
入場は「18禁」のこの春画展には北斎や歌麿らの作品をはじめ、国内外から名品約120点が集められるそうで、細川氏はスクリーンに映し出される春画の数々を見つめ、学芸員の説明に聞き入っていた。
「ピカソでもモネでも世界的な画家は春画を集めていた。外国では展示されているにもかかわらず、日本では(会場の確保が)難しいと。(開催は)義侠心で引き受けました」という細川氏。芸術にタブーなしとは、過激な性表現で逮捕された芸術家のろくでなし子が聞いたら泣いて喜びそうだが、今の細川氏には金と暇はあっても政治力は期待できないという。
細川氏といえば昨年2月、小泉純一郎元総理(73)の推薦で都知事選に出馬したもののあえなく落選したのが記憶に新しいが、「基本的には自由人で、湯河原で陶芸家、茶人として隠居生活を送る日々です。たまに“下山”して財界人と銀座で飲んだりする優雅な生活をしています。すでに政治的な求心力はなく、日本の歴代総理には“終身SP制度”がありますが、村山富市氏と細川護熙氏の2人だけが『SPはいらない』と返上した。これは『政治的発言をしない』という意思表示でもある。実は5月ごろに小沢一郎氏と小泉純一郎氏と細川氏の3人で脱原発の国民運動をするという話を耳にしていたのですが、それも動きがない。もはや一念発起して政治をやる気力はないのでしょう」(政治評論家の有馬晴海氏)。