石原さとみ主演「アンナチュラル」は新感覚のサスペンス
TBS系「アンナチュラル」第1話の冒頭。登場したのは石原さとみ(31)と市川実日子(39)だ。おお、映画「シン・ゴジラ」の最強女性陣じゃないか。再び大怪獣に挑むのか。いや、違う。彼女たちが闘う相手は「不自然な死(アンナチュラル・デス)」だ。
勤務先は「不自然死究明研究所(UDIラボ)」。法医解剖医の三澄ミコト(石原)は、警察や自治体が持ち込む遺体を解剖し、死因をつきとめる。科捜研の女ならぬ、UDIラボの女。この設定自体が新機軸だ。
最初の案件は突然死した青年の死因解明。警察の判断は「虚血性心疾患」(心不全)だったが、検査の結果、心臓には問題がなかった。薬物による急性腎不全の疑いが出てくるが、肝心の毒物が特定できない。そこに遺体の第1発見者で婚約者でもある女性が現れる。しかも彼女の仕事は劇薬毒物製品の開発で……。この後、予想外の展開が待っていた。
脚本は「逃げるは恥だが役に立つ」「重版出来!」の野木亜紀子だ。ミステリー性とヒューマンのバランスが絶妙で、快調なテンポなのに急ぎ過ぎない語り口が気持ちいい。
また役者たちが脚本によく応えている。石原は堂々の座長ぶりだし、同僚の一匹狼型解剖医・中堂(井浦新)の存在も効いている。
今後、ミコトと中堂の相互作用は期待大。「不条理な死」を許さないプロたちを描く新感覚サスペンスだ。