著者のコラム一覧
大高宏雄映画ジャーナリスト

1954年浜松市生まれ。明治大学文学部仏文科卒業後、(株)文化通信社に入社。同社特別編集委員、映画ジャーナリストとして、現在に至る。1992年からは独立系を中心とした邦画を賞揚する日プロ大賞(日本映画プロフェッショナル大賞)を発足し、主宰する。著書は「昭和の女優 官能・エロ映画の時代」(鹿砦社)など。

佐藤浩市主演「Fukushima 50」はなぜ賛否両論を呼ぶのか?

公開日: 更新日:

 賛否両論が出るのは分かっていた。公開されたばかりの「Fukushima 50」だ。しかも、賛否の振り幅がやけに大きい。大ざっぱに、原発問題に深く迫れない浅い中身というのが低評価の理由だろうか。プロの書き手が、とくにシビアだ。それに対し、高い評価は描かれた人たちへの賛辞が目立つ。ネットのレビューを見ると、一般の人の賛同の声が多い。

 映画は、2011年の3月11日、東日本大震災により起こった福島第1原発の事故を描く。そのさなか、作業員たちはいかに原発の暴走を止めようとしたか。その際の作業員たちの描かれ方において、賛否が起きたのだと推測できる。

 筆者の意見を述べる。とにかく、見ている間中、恐ろしくて仕方なかったとはっきり言おう。それは被災された方々も含め、あのとき空間を同時に生きていた多くの人たちにとって、全く知らないことが描かれていたからに他ならない。あのとき、作業員たちは、自身の命と向き合っていたのである。

 当時の感覚でいえば、原発の状況に関しては、実体の定かではない報道と、全く科学的ではない希望的観測が入り交じっていたと思う。映画は、その無知ぶりをストレートについてきた。そこをまず、自身のこととして見るべきだろう。そこから、いろいろなことを考えてみる。そういう映画ではないのか。

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