<9>私も師匠として幹部の師匠方と披露口上に並んだ時、夢のような感じでした

公開日: 更新日:

 落語芸術協会に移籍した談幸は、最初から寄席に10日間出られたわけではない。寄席の出番表には載らない「代演」、つまり休んだ落語家の代わりを務めることから始めた。そうした段階を踏んで協会員として認められたのだ。

「立川流で真打ち間近だった吉幸は、1年限定で前座に戻った。他の前座は全員が後輩になります。それでもあいつは嫌な顔しないで、うまく付き合ってたみたいです。もともと演芸オタクなんで、立川流時代には会うこともなかった師匠連や色物の芸人さんに接するのを楽しんでました」

 それでも人に言えない苦労はあったろう。その甲斐あって、2016年、吉幸は二つ目に再昇進。そして19年、真打ちに昇進する。5月の披露興行は、新宿末広亭を振り出しに4軒の寄席で行われた。

「私も師匠として、幹部の師匠方と披露口上に並んだ時、夢のような感じでした。生涯戻ることがなかったはずの寄席の高座で、弟子の口上を述べている。想像もしなかったことです。談志の孫弟子が、初めて寄席で披露興行ができた喜びもある。師匠も喜んでくれるんじゃないかと思うと、感慨深かったです」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」