河瀬直美監督に“ヒトラーの協力者”継承の懸念「五輪を招致したのは私たち」発言でバッシングの嵐

公開日: 更新日:

 映画監督の河瀬直美氏(52)が総監督を務め、ことし6月に東宝配給で公開となる公式記録映画「東京2020オリンピック(仮)」。河瀬氏は、1964年東京大会の記録映画を手掛け、ドキュメンタリーにこだわった市川崑監督に畏敬の念を抱いているとされたが、批判の声がかまびすしい。

 きっかけはNHKで昨年末に放送されたBS1スペシャル「河瀬直美が見つめた東京五輪」である。河瀬氏はこんなコメントをしているのだ。

「日本に国際社会からオリンピックを7年前に招致したのは私たちです。そしてそれを喜んだし、ここ数年の状況をみんなは喜んだはず。だからあなたも私も問われる話。私はそういうふうに描く」

SNSは“炎上状態”に…

 SNSには「#五輪を招致したのは私達ではありません」といったハッシュタグが飛び交い、炎上に近い状態が続く。番組ではまた、デモ反対に参加したという男性にカメラを向けるシーンもあり、「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」とのテロップが映し出された。五輪反対の声を上げ、デモに参加した人にしてみれば、それを金をもらってのやらせかのように歪曲されたのだからふざけるなと声を上げるのも無理はない。

「市川監督の『東京オリンピック』は、冒頭から、鉄球が打ち込まれてビルが瓦解していくシーンでした。五輪礼賛の演出どころか、メダル獲得シーンすらなく、ひたすら競技に打ち込む選手の動きにレンズを向けた。国家事業を任されてなお、安易なプロパガンダに堕すことなく作られたからこそ名作となったのです」(映画批評家・前田有一氏)

 公開が待たれるが、内容次第では河瀬監督が市川崑監督の継承者ではなく、あのヒトラーに寵愛され、36年ベルリン五輪大会の記録映画を撮ったことでナチスの協力者と非難されたドイツの女流監督レニ・リーフェンシュタールの姿とダブって見えてきそうだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし