著者のコラム一覧
荒木経惟写真家

1940年、東京生まれ。千葉大工学部卒。電通を経て、72年にフリーの写真家となる。国内外で多数の個展を開催。2008年、オーストリア政府から最高位の「科学・芸術勲章」を叙勲。写真集・著作は550冊以上。近著に傘寿記念の書籍「荒木経惟、写真に生きる。荒木経惟、写真に生きる。 (撮影・野村佐紀子)

<75>ロンドンの個展では映画も上映「私は北野武ではありません!」が大爆笑で大ウケ

公開日: 更新日:

 ロンドンのバービカンでやった展覧会、すごかったんだよね。写真を何千点も出して、これまで出版した写真集も全部並べたんだよ。オープニングも、向こうじゃものすごいミスなんとかというのを揃えてくれるのよ、歓迎するために。おっ、イギリスもわかっているなって(笑)。ミック・ジャガーの娘も来てくれたね。(2005年、ロンドンのバービカン・アート・ギャラリーで、4000点以上の写真、300冊以上の写真集・書籍による大回顧展「Self,Life,Death」〔私・生・死〕を開催)。

個展と一緒にオレが選んだ映画も上映

 バービカン(センター)の映画館では、個展と一緒にオレが選んだ映画も上映してね。小津(安二郎)の『東京物語』をやって、舞台挨拶もしたんだよ。最初に「私は北野武ではありません!」って言ったら、大爆笑でウケたんだよね。ローアングルの小津安二郎は、きっとスケベなんだよっていう話もしたね(笑)。

 ロンドンの個展の後に、ユーロスターでパリに行ったんだよ。パレ・ド・トーキョー(現代創造サイト)でパフォーマンスもやってね。パリで街を歩いてたら、「アラーキー!」って話しかけられたりするんだよ。ロンドンの個展も見に行くからって、よく知ってんだよね。

 パリではピカソの孫の家にも行ったんだよ。外国人っていうか、向こうの人は大切な人を自分の家に呼んでくれるんだよ。アーティストをすごく優遇するっていうか、歓待してくれるねぇ。ピカソの写真とか絵とか、いっぱいさ、飾ってあんだよ。で、新しい映画作家とか、いろんなのを呼んでくれたりして、パーティーをやってくれたんだよ。




「アラキ、ちょっとベッドルームに来ない?」

 彼女がオレのファンなんだって。オレがイタリーかどこかに行ったとき、オレを訪ねてきたんだよ。で、この彼女が「アラキ、ちょっとベッドルームに来ない?」なんて言うから、え~っ、こりゃあぶないぞ~って思いながらついて行ったんだよ(笑)。そうしたら、オレのでっかい花の写真がベッドルームに飾ってあったの。彼女の亭主がピカソの孫なんだよね。こういうのって嬉しいじゃない。「アラキの花(の写真)、4点持ってる」って。春夏秋冬で掛け替えるんだって。そういう話を聞くとさ、もう、唸るねぇ。いい気分になっちゃうよね。

(構成=内田真由美)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    朝ドラ「あんぱん」教官役の瀧内公美には脱ぎまくった過去…今クールドラマ出演者たちのプチ情報

  2. 2

    松本潤、櫻井翔、相葉雅紀が7月期ドラマに揃って登場「嵐」解散ライブの勢い借りて視聴率上積みへ

  3. 3

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  4. 4

    低迷する「べらぼう」は大河歴代ワースト圏内…日曜劇場「キャスター」失速でも数字が伸びないワケ

  5. 5

    遠山景織子 元光GENJI山本淳一との入籍・出産騒動と破局

  1. 6

    河合優実「あんぱん」でも“主役食い”!《リアル北島マヤ》《令和の山口百恵》が朝ドラヒロインになる日

  2. 7

    キンプリが「ディズニー公認の王子様」に大抜擢…分裂後も好調の理由は“完璧なシロ”だから 

  3. 8

    中井貴一の“困り芸”は匠の技だが…「続・続・最後から二番目の恋」ファンが唱える《微妙な違和感》の正体

  4. 9

    TBSのGP帯連ドラ「キャスター」永野芽郁と「イグナイト」三山凌輝に“同時スキャンダル”の余波

  5. 10

    永野芽郁&田中圭「終わりなき不倫騒動」で小栗旬社長の限界も露呈…自ら女性スキャンダルの過去

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    遠山景織子 元光GENJI山本淳一との入籍・出産騒動と破局

  2. 2

    巨人「松井秀喜の後継者+左キラー」↔ソフトB「二軍の帝王」…電撃トレードで得したのはどっち?

  3. 3

    反撃の中居正広氏に「まずやるべきこと」を指摘し共感呼ぶ…発信者の鈴木エイト氏に聞いた

  4. 4

    巨人のW懸案「ポスト岡本和真&坂本勇人」を一気に解決する2つの原石 ともにパワーは超メジャー級

  5. 5

    永野芽郁&田中圭の“不倫LINE”はどこから流出したか? サイバーセキュリティーの専門家が分析

  1. 6

    松本潤、櫻井翔、相葉雅紀が7月期ドラマに揃って登場「嵐」解散ライブの勢い借りて視聴率上積みへ

  2. 7

    吉岡里帆&小芝風花の電撃移籍で様変わりした芸能プロ事情…若手女優を引きつける“お金”以外の魅力

  3. 8

    【今僕は倖せです】のジャケットに表れた沢田研二の「性格」と「気分」

  4. 9

    吉田拓郎の功績は「歌声」だけではない イノベーションの数々も別格なのだ

  5. 10

    裏金自民が「11議席増」の仰天予想!東京都議選告示まで1カ月、飛び交う“怪情報”の思惑