助っ人陣を牽引 由伸監督が泣いて喜ぶマシソンの“巨人愛”
巨人6年目の助っ人が順調だ。カナダ代表として来月のWBCに出場するスコット・マシソン(32)である。
日本代表の投手陣が「滑る」と口を揃えるWBC公式球対策に躍起になる中、前日のブルペンでやっとWBC球を初使用。2006年と13年大会に続き、3度目の出場になるだけに、実にマイペースである。マシソンはさらに「(WBC球を)使うのはブルペンだけ」とキッパリ。沖縄キャンプで予定している実戦登板は、日本の統一球を使うというから驚きだ。理由は「WBCも重要だけど巨人で日本一になりたいから」。高橋由伸監督が聞いたら泣いて喜ぶセリフである。
カナダは1次ラウンドで米国、ドミニカ共和国、コロンビアと同じ激戦の組に入った。早々と予選通過を諦めているわけではないだろうが、「WBCより巨人」と涼しい顔で言える。だからチームで重宝される。
「同じ抑え候補の新助っ人カミネロが、練習試合で早くも155キロを計測するなど評判がいい。それでも安定感抜群のマシソンは、過去5年の実績もあって、勝利の方程式の軸という首脳陣の位置付けは揺らがない。右も左も分からないそのカミネロに、巨人のルールや日本の文化をレクチャーしたり、キャンプ前の宮崎での合同自主トレに直訴して参加するなど、助っ人としては異例の行動を取るのも、それがチームで受け入れられると知っているから。WBCに出るのに日本のボールを重視して練習するのも、年俸をおよそ3億円にまで上げてくれた巨人への忠誠心でしょう」(チーム関係者)
侍ジャパンとは違い、マシソンにとってのWBCはあくまで前座。本番は巨人でのシーズンなら、故障をしないで帰って来るだけで御の字である。