秘訣は?プロ未経験メジャーリーグの名監督と名コーチたち
こうした施設には有望株を探しに来たスカウトたちが立ち寄る。シルトは、当時カージナルスのスカウトだったジョン・モゼリアック(現GM)に認められて、年俸3万ドルで最低ランクのスカウトに採用され、プロの世界に転じた。その後、人手不足のため夏場にルーキーリーグの臨時打撃コーチも兼任することになり、それをきっかけに打撃指導の能力を認められ、40歳のときルーキーリーグの監督に。ここで3年連続チームを優勝させたため、2Aの監督に昇格。さらに3Aの監督を経て、48歳のとき初めてメジャーの舞台に呼ばれ三塁コーチに就任。翌年ベンチコーチに転じたところ、7月中旬にマシーニー監督が解任されたため代理監督に就任。有望株を積極的に起用して6割近い勝率を挙げたため、昨年8月末に正式に監督になった。
メジャーでは他にもプロ経験のない監督が生まれており、ブルージェイズのトスカ元監督(02~04年)、オリオールズのトレンブリー元監督(07~10年)、マーリンズのジェニングス前監督(15年)の3人もプロ未経験者で、高校チームの監督をした後、マイナーの薄給コーチやスカウトとして採用され、プロの世界に転身。いずれも20年以上マイナーで実績を積んだ後、メジャーの監督に上り詰めた苦労人だ。