秘訣は?プロ未経験メジャーリーグの名監督と名コーチたち
ツインズの新任投手コーチ、ウェス・ジョンソンが注目の的になっている。
メジャーはおろか、マイナーでも全く投げたことがないプロ未経験者で、昨年までは大学野球の投手コーチを務めていた。今季ツインズに招聘され、生体力学を応用した斬新な指導法で弱体投手陣を最強レベルに変身させた。
メジャーの投手コーチには、投手経験が全くない者もいる。その大半はリードのうまさに定評があった元キャッチャーで、独り善がりの指導に陥りがちな元投手より、元捕手の方が投手に的確な助言ができると評価されて投手コーチやブルペンコーチに採用されている。
大リーグ史上最高の投手コーチと評価されるデーブ・ダンカン(カージナルスの元投手コーチ)も元捕手で投手経験が全くない。
現役監督にも全くプロ経験のない人物がいる。カージナルスのマイク・シルト監督である。
シルトは大学野球でプレー後、高校チームの監督を3年、大学のチームの打撃コーチ補佐を5年間務めた。ただ米国の高校、大学は厳格なスポーツ3シーズン制をとっているため4000ドル前後の月給が出るのは2月から6月までの5カ月間である。それでは生活できないので、野球練習施設を開設、プロ入りを夢見てオフシーズンも野球の練習をしたい中高生の打撃指導をして糊口をしのいでいた。