引退・斎藤佑樹の早実時代の恩師が明かす「ケガをしても悲壮感なく、前向きだった」
斎藤佑樹は2006年夏、「ハンカチ王子」として一大旋風を巻き起こした。当時の野球部長だったのが早実高等部の佐々木慎一教頭。一躍時の人となった斎藤の電車通学は危ないため、何人かの大人が車で送り迎えをした。その一人が佐々木教頭だった。
早大進学かプロか、ドラフト直前まで進路決定に悩んだ。
「迷っていた様子はありましたが、我々は進路に関して一切タッチしていませんでした。家族で話し合い、本人から『大学へ行きます』と報告を受けた。表情を変えることなく、話していたのが印象に残っています」
佐々木教頭は斎藤が高1のとき、勉強の要領がわからず苦しんでいたため、毎朝1時間、勉強を教えた。担任も務めたこともあり、大学進学、プロ入り以降もやりとりが続いている。
「プロで肩などをケガして苦労しましたけど、悲愴感は全くなかったです。『球速アップに向け、新しいフォームに取り組んでいます』という感じで常に前向きでした」
佐々木教頭のもとにも、斎藤から引退報告の連絡が来た。