どうなる! 日本の医療
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いまの医療改革は“内需拡大”のための経済政策に過ぎない
電子化すれば利用者の利便性が高まり、業者の事務が合理化され、コストも下がる――。 何度、このフレーズにダマされてきたことだろう。 利用者にとっては、これまで業者の仕事だったデータ入力…
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製薬企業も大打撃 EU離脱で英国は世界から取り残される
英国のEU離脱で世界中が大騒ぎだが、医療も無縁とはいえない。EUの研究補助金カットに加え欧州圏の薬事審査・ライセンシング業務がストップしてしまう可能性が高いからだ。欧州に留学経験のある大学医学部の研…
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自治体で大きな差 子供の医療費助成は6歳まででいいのか
今年4月、東京都千代田区から千葉市に移り住んだAさんは、子供の医療費格差に愕然としたという。 千代田区時代は、所得制限なしで18歳まで無料だったが、千葉市で無料になるのは小学3年生まで。それ…
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医療費40兆円超え 今こそ“無駄な法律や通達”を見直すとき
医療費の膨張が止まらない。病気やケガの治療で全国の医療機関に支払われた1年間の医療費の総額は、2013年度に40兆円を超えた。7年連続の増加だ。 国はその抑制のため四苦八苦だが、そんな中で注…
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新専門医制度とIT技術が若手医師を苦しめる
「専門医」といっても、しょせんは各医学会が独自に認定している“民間資格”。それぞれの学会の認定基準はバラバラで、専門医の質も大きな差がある。これを第三者機関である「日本専門医機構」による認定に改め、専…
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“団塊の世代”に備え 高齢者の医療費負担増プランが進行中
今年4月、自民党内に発足した「2020年以降の経済財政構想小委員会」が「65歳からの高齢者扱いを見直そう」と提言した。「今は65歳以上でも、すこぶる元気な世代も増えている。日本の生産年齢は20歳から…
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死因究明システムの強化が必要
最近、テレビドラマ等で取り上げられることの多い監察医。地方自治体が死体解剖保存法に基づき、病気や事故で亡くなった死体、死因不明の異状死体を調べ(検案)、死因を特定する医師のことだ。検案で分からなけれ…
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日本の薬価決定システムは国を滅ぼす
人が持つ「がん免疫監視システム」を正常に戻すことで、がんを消滅させる薬――。2014年発売以来、世界中のがん研究者から熱視線が注がれているのが、皮膚がん(メラノーマ)治療と肺がんの非小細胞肺がんの抗…
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年3.9万円の保険料アップだけでは済まない!
国民健康保険の運営主体が「市町村」から「都道府県」に移ると、保険料がアップする。 立教大学コミュニティ福祉学部・芝田英昭教授は言う。 「厚労省によると、全国市町村の国民健康保険の赤字額…
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国保の都道府県移管は大量の無保険者を作り出す
赤字が続く国民健康保険の運営主体が、現在の「市町村」から「都道府県」に移行するのをご存じだろうか? 厚労省は、運営主体を広域化することで財政を強化するのが狙いと説明しているが、「さらなる国保制度の劣…
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「かかりつけ薬剤師」は財政悪化の新たな火種か?
鳴り物入りでスタートした「かかりつけ薬剤師」だが、一部で「国庫への新たなダメージになるだけ」とささやかれている。 そもそもかかりつけ薬剤師は「かかりつけ薬局」と同じで、患者の薬歴管理、体質体…
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今年の診療報酬改定は“与党の参院選対策”ではないのか?
4月から新たな診療報酬に基づく医療がスタートした。病院でいつも通りの診察を受けたのに「窓口負担額が違う」と驚いた人も多いのではないか。 診療報酬とは保険診療を行う医療機関に支払われる治療費の…
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米国で話題の「臓器別診療」の否定 日本で広がるのか?
「専門家が自身の効率化のために作り上げた高度専門化社会は実は非効率で、物の本質を見失ってしまうのではないか」――。英国フィナンシャル・タイムズ紙アメリカ版編集長ジリアン・テット女史の「サイロ・エフェク…
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49歳以下の外科医不足から医療崩壊が始まる!?
医者の花形といえば外科医だ。がんの根治治療の基本は外科手術だし、外科医がいないと心臓治療も脳手術も不可能だ。 ところが、その外科医を希望する若手医師が極端に減り、日本医療が危機にさらされつつ…
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悪徳人材紹介業者が病院をつぶす
2006年からの診療報酬改定に、病院での看護師不足解消のための施策が盛り込まれた。それが「7対1病院」への優遇だ。それまでは、入院患者10人に対して看護師1人の医療施設を優遇してきたが、さらに7人の…
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都心では安く歯を治せなくなる
日本の歯科医師は過剰と言われて久しい。実際、人口10万人当たりの歯科医師数は81.0人で、OECD諸国の平均63.6人に比べるとはるかに多い。しかし、この数値に疑問を投げかけるのは「すなまち北歯科ク…
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4月から「日本初の遠隔診療アプリ」がスタート
近い将来、風邪などの軽い病気はどこにいても簡単に医師に診察してもらえるようになるかもしれない。 「いつでもどこでも24時間、医師につながる」をウリにする新サービスが4月からスタートする。その名…
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患者本位になれば 日本には「コンビニクリニック」が必要だ
4月から、全国250の大病院では紹介状なしの初診患者は新たに5000円の別途窓口負担が必要になるのをご存じだろうか? 大病院が専門的疾病治療に専念できるよう、これまで夜間救急に押しかけてきた軽症患者…
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「ゲノム解析」は何をもたらすのか?
医療の進歩は「日進月歩」といわれるが、今は「医療革命」といえるほど早くなっている。その中心のひとつが「ゲノム解析」だ。 ゲノムは「遺伝子」と「染色体」を合わせた造語で、DNAのすべての遺伝子…
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がん診断で成果 人工知能ドクターが医師に取って代わる日
いま、医療の世界で最も熱い視線を浴びているのは人工知能だろう。 科学的根拠にもとづいた医療が重視され、「医師の経験や直感などよりも、膨大な医学論文を的確に分析できる方が良い治療につながる」と…