スクープドッグ咆哮記「オウム事件」編
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<最終回>「とにかく時間がないんだ。すぐホテルに行ってセックスしよう」 その翌々日、早川は逮捕された
オウム武闘派の首領・早川の“愛人”はカナダ人ホステスのエイミー、23歳のブルネット(黒、焦げ茶色の髪)の女性だった。告白内容についてウラを取るとそれが虚偽でないことがわかり、警察も把握していない事実…
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<第9回>「オウムの早川?あの人、私が夜バイトしているクラブにしょっちゅう来るのよ」
「あーっ、竜太郎さん、久しぶりじゃない。元気だった?」 深夜の六本木を歩いていると女友だちから声をかけられた。 「まあ、ぼちぼちかな。今オウムの取材をしていてさ。何か面白い話知らない?」…
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<第8回>オウム道場の取材を終えるとリポーターに「あなたは信者ですか?」と取り囲まれ…
「そんなことやっていません、皆さんの言いがかり。それは恐らく、オウムを敵視するスパイの仕業です」 「オウムが何者かに狙われていて、殺人ガスで施設が攻撃されている。宗教弾圧だ」 「ああ言えば…
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<第7回>副編集長が宅配弁当の山を指して叫んだ「全部捨てるぞ!オウムかもしれん」
「この世はもはや救えない。これからは武力でいく」 1990年、真理党代表として衆院選に出馬した麻原彰晃は、落選後弟子たちにこう話し、オウムは武装カルト集団の道を一気に突き進む。すでにその前年、…
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<第6回>「異臭がしたら、とにかく風下に向かって思い切り走って逃げるんだぞ」
ガスマスクを装着し頭部からすっぽりとかぶる全身黒ずくめの化学防護服を着た機動隊員の手には、かごに入った小さなカナリア。美しい声で鳴くその鳥は空気の変化に敏感で、ガスを感知するとすぐに反応することから…
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<第5回>「人だかりに野次馬根性で体をねじ込んだら、目の前に犯人がいて、村井がうめきながら倒れてた」
「このワープロはほんと打ちにくくてしょうがねえ。しかたねえ、手書きにするか」 編集部で先輩記者がこうぼやき、ペンをなめながら原稿用紙と格闘していた。装備されていたのは親指シフトの富士通オアシス…
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<第4回>秋葉原にあったオウム経営のパソコンショップは耐えられない刺激臭に満ちていた
「チョーチョーチョー激安(ゲッキヤス)!」「チョーチョーチョー激安(ゲッキヤス)!」「ダスブイが!」「ダスブイが!」「激安だっ!」「激安だっ!」 パソコンを模した変な帽子やヘッドギアを装着した…
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<第3回>サリン事件直後のある日、編集長は強張った顔でこう話した
地下鉄サリン事件を詳報した週刊文春1995年3月30日号は、締め切り当日の月曜日に事件が発生、24時間で特集全ページを入れ替え発売にこぎつけたが、その反響はすさまじく、勢いのあった週刊ポストや週刊現…
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<第2回> 「タイミングが悪ければ僕も危なかった…」一緒にいたO記者はそうつぶやいた
地下鉄サリン事件は全世界を震撼させた。世界屈指の大都市東京で、まさか殺人ガスが使用されようとは当時誰が予想できただろう。化学兵器を使い一般市民を狙う無差別テロは史上初の出来事だった――。 大…
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<第1回>編集部内で緊張が走り、いよいよ部員総出のオウム取材シフトとなった
「菊地直子は無罪」 2015年11月27日、東京高裁は殺人未遂幇助罪に問われた元オウム真理教の菊地直子被告(44)に逆転無罪を言い渡した。 1995年5月、オウムは東京都知事・青島幸男…