志の輔落語とパルコの20年
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<最終回>鶴瓶に「ジャニーズを見てみい」と叱責されたことも
パルコ劇場の客席数は400余りで、ひと月25公演として観客数は1万人に至る。志の輔は高座で、「武道館でやれば1回で済むんですけど」と笑わせるが、1カ月の公演は当然のことながら体力、気力の消耗が激しい…
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<第8回>富山に帰ることで私の方が力をもらってるんです
「東京の落語家は東京出身でなければ」と思い込んでいる頑迷な落語ファンに言いたいのは、「近年売れっ子になった落語家の出身地を見よ」である。三遊亭円丈(愛知県)、三遊亭小遊三(山梨県)、三遊亭歌之介(鹿児…
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<第7回>親友・昇太とバリ島のコテージに泊まった時の笑い話
パルコ劇場で公演を始めてから志の輔が熱中した趣味はゴルフである。 「なんでもっと早くやってなかったのかと思うくらい、初めてハマったスポーツです」 ゴルフの話になると志の輔の顔が輝きだし…
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<第6回>番組を見た談志「俺はガッテンできない」発言のウラ
志の輔は29歳の年に入門。その年、落語協会を脱会して立川流を旗揚げした談志の英才教育により、たった2年で二つ目に、7年で真打ちに昇進した。当時はスピード出世とマスコミでも騒がれたが、当人は予想外の昇…
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<第5回>褒めない師匠 立川談志に人前で褒められて…
「立川談志はどんな師匠だったのか」と聞かれると志の輔はこう答える。 「弟子に油断をさせない。それと、とにかく弟子を褒めない師匠でした」 芸術祭賞を取った時、芸術選奨文部科学大臣賞をもらっ…
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<第4会>40人の合唱団登場に客席はスタンディングオベーション
2004年初演の「歓喜の歌」は数多い志の輔の新作の中でも傑作と言われ、映画化もされた。 市内の2つのママさんコーラスのグループの公演日をダブルブッキングしてしまった公民館の職員がどうやって解…
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<第3回>舞台に鹿の剥製や超特大ガラガラ、人間ひな人形を…
私が最初に衝撃を受けた志の輔作の新作落語は、パルコ公演6年目の2001年に演じた「ディアファミリー」である。父親の勤続30年の記念に社長から大きな鹿の頭の剥製が家に届く。家族が全員で置き場所について…
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<第2回>ライトの数は三谷幸喜の芝居より多かった
パルコ公演4年目の1999年から、前半に新作の滑稽噺を2席演じ、後半は古典の大ネタで締めるという形が出来上がった。それは観客のニーズに応えた結果である。 「お客さまは笑いだけでなく、人情とか涙…
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<第1回>何の根拠もないのに「いつかパルコに立つな」と
立川志の輔によるパルコ劇場の公演は20年続き(1カ月公演は11年)、今年がファイナルとなった。周辺地区の再開発計画によって同劇場が建て替え工事に入るため、中断するのだ。そこで、初回から毎年欠かさず見…