「300の顔を持つ男」の矜持
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<第9回>「蜜のあわれ」で共演 二階堂ふみは“逃げない人”
二階堂ふみさんとは、「蜜のあわれ」で初めての共演となりました。 二階堂さんを一言でいうならば、“逃げない人”という印象です。監督と向き合い、共演者と向き合い、言葉と向き合う。そして今、21歳…
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<第8回>イメージを丁寧に説明する石井岳龍監督の撮影現場
「蜜のあわれ」の打ち合わせで、石井岳龍監督に「大杉さんとは、以前からぜひやりたいと思っていまして、今回、実現してうれしいです」と言っていただきました。俳優としてこんなにうれしいことは他にありません。僕…
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<第7回>三池作品の“袋男”はウーウーの悲しげな声の出演だけ
「漣さん、これまでに映画、何本出ました?」と聞かれることがあるのですが、正確なところは本人もわかりません(笑い)。数えたことがないのです。まあ、僕が死んだら、どなたかこっそり数えてみてください。 …
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<第6回>会うたびに“進化し続ける高良健吾”がそこにいる
「蜜のあわれ」で芥川龍之介を演じた高良健吾君とは、6年前にも共演しました。高良君の主演映画「おにいちゃんのハナビ」です。新潟県を舞台にした映画で、僕は高良君と谷村美月さんの父親役。 妹の病気治…
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<第5回>天海祐希の女優力にひかれて「囲む会」を開催
今回は女優さんのお話をします。これまで共演させていただいた女優さんは数えきれないくらいいますが、どなたにしますかと聞かれたら、それは天海祐希さんです。 天海さんとは、連続ドラマ「緊急取調室」…
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<第4回>ワンシーンだけ出演した強烈な「キッズ・リターン」の思い出
これまで300以上の役を演じてきた中で、一生忘れることのできない、緊張感の高い強烈な思い出のある役があります。それは北野武監督の映画「キッズ・リターン」です。 この映画ではワンシーンだけの出…
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<第3回>「黙る演技」と「動き回る役」で映画賞を総ナメ
役者になったのは1974年、僕が22歳の時です。以来40年以上。その中で忘れられないのは98年から99年で、僕にとっては大きく変化する一年でした。 この年は日本で行われる数々の映画祭や映画賞…
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<第2回>北野作品「ソナチネ」のオーディションに大遅刻も…
俳優としての転機となったのは、北野武監督の映画「ソナチネ」(93年)への出演です。 「ソナチネ」はオーディションでした。「受けてみないか」という話が事務所にきたときは、まだタイトルも決まってい…
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<第1回>ロマンポルノの現場は刺激的でした
刑事からヤクザ、サラリーマン、不良中年まで幅広い役を演じたら、この人の右に出る者はいない。“300の顔を持つ男”の異名を持つ大杉漣さん(64)だ。4月1日に公開される映画「蜜のあわれ」では二階堂ふみ…