営業マンのヤル気引き出す奇跡の一言
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<第20回>目先の数字に焦らず じっと耐えるのがリーダー
前回、日本企業は自社ブランドを愛し、育て、それを愚直に売っていくという当たり前の精神を忘れてしまったのではないか、と書きました。その原因は長引くデフレ不況だけではありません。株価至上主義、自己資本利…
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<第19回>長引くデフレが日本企業文化、社会を蝕んでいる
これまで18回にわたって、私がキリンビール時代にやってきたことをお話ししました。その極意は簡単な1行に集約できます。理念を持って、愚直に、徹底的に営業をする――これだけです。当たり前のことじゃないか…
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<第18回>「業績を上げたければ人を成長させろ」
会社組織は人で構成されてます。業績を上げ続けるには人を成長させればいいのです。一方、業績が悪いと、すぐに組織を変えて課題解決しようとするトップもいます。しかし、それよりもまず、働く人の潜在能力を発揮…
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<第17回>使命感と覚悟を養う 「リーダーは腹をくくれ」
勝つために、あるべきリーダー像とはどういうものでしょうか。私は次のように定義しました。 1、正しい指示を出せる 2、現場を熟知している 3、覚悟と責任感を持っている しかし、それ以…
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<第16回>「現場を数多く回ること」が目的ではない
高知支店がキリンビールのシェアをアサヒスーパードライから奪回したときは、社内外から注目を浴びました。本社は“高知の成功”をマニュアル化しようと考え、私はリポートを書かされましたし、他の地区から若い営…
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<第15回>「予算がない」と言い訳する部下たちへの荒療治
最小のコストで最大の顧客満足――。一見、相反するように見えるこの言葉。しかし、実は可能であるだけでなく、実現すれば、営業マンに大きなヤリ甲斐と成長をもたらすことになります。逆にこれを諦めると、“金の…
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<第14回>一社員が考えたトップシェア奪還作戦「NHK活動」
高知支店で高知県のキリンビールのトップシェア奪回を達成したあと、私は四国地区本部長になりました。高知のときと同様、「顧客からの支持を最大にするために、施策を絞り込み、現場ならではの工夫を実行する」こ…
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<第13回>正解はわからない 「理念こそが最大の武器だ」
高知支店に赴任(1995年)し、業績が上がらないまま手さぐりで頑張っているとき、考え抜いた末に「キリンの逆転には“キリンラガーの味の復活”がどうしても必要だ」という結論に達しました(同社は1996年…
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<第12回>「明日から会議禁止 現場でビールを売れ」の効果
数字が悪い組織では、会議が多いものです。これはどの会社も共通ではないかと思います。業績が上がらないと、本社から「どうやって売り上げを伸ばすつもりなのか?」と尻を叩かれますし、「いついつまでにこういう…
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<第11回>続ければ体が慣れてくる「つらいのは4カ月だ」
負け続けている高知支店に赴任して3カ月、1996年が明けてすぐのこと。支店のメンバー全員の合宿研修で、「自分たちの最大の弱点は何なのか?」という議論をしました。個人名が出て感情もこじれたころ、ようや…
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「与えられた使命を自分が置かれた場所で全力で果たせ」
高知支店長の辞令が発令された時、社内では「田村は終わった」と陰口を言われていました。何しろ転勤先の高知は売り上げも小さく、本社から見れば“辺境の地”のような所でしたから。ところが、東京から見てもっと…
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「バックミラーを見ながら運転するような営業はするな」
車の運転とは基本、前を見てするもの。バックミラーはあくまで安全確認で目配りするものです。 実は、営業も同じです。過去の実績などのデータ、前例から予測して、それにのっとった戦略を立てるのは、“…
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<第8回>決めたことができないなら辞めていただいて結構だ
私が高知支店で絞り込んだ支店独自の戦略は“料飲店の攻略”でした。「本社に対しては私が全責任を負う」という前提で、メンバーには「とにかく料飲店を数多く回る戦略に全エネルギーを注げ」と伝えました。料飲店…
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<第7回>リーダーの仕事は社員の行動スタイルを変えること
負け続けているチームの行動スタイルとは「上から下りてきたことは一生懸命やっています」と堂々と言い、結果には責任を感じず、その組織の一員でいることで満足してしまっているというものです。私が赴任したとき…
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<第6回>「リーダーは一貫した戦略を語り続けろ」の効能
高知支店長として赴任して最初の3カ月、私は支店のメンバーに「ああしろ」「こうしろ」ということを言いませんでした。知らない土地に赴任し、“一国一城の主”となるのも初めてで、容易には絞り込んだ戦略を立て…
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<第5回>不本意な異動で腐ると損をする「人事は不条理」
昇進昇格の遅れや左遷で投げやりになり、そのまま終わってしまう人をよく見かけます。そういう人の頭の中は、『会社からの評価はそんなに低いのか』『自分はもうダメだ』という考えで固まってしまっているのです。…
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<第4回>「困った時には原点回帰」で信頼関係を再構築
何をやっても業績が下がり続け、五里霧中となり、どうしていいか分からない時があります。私がキリンビール高知支店に1995年秋に赴任してからの2年間が、まさにその状態でした。 営業マンはそれぞれ…
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<第3回>ダメ支店の壁に貼った「バカでもわかる単純明快」
私が赴任したダメ支店、高知支店では「言われたことだけをこなす」というのが仕事になっていました。自分たちの成績が悪いということは数字を見れば分かるし、四国本部や本社からも言われるので自覚はあるのですが…
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<第2回>“負け”の理由 分からなければ分かるまで聞き回れ
逆転への道筋を見いだすには、まず負けている理由を突き止めなければなりません。逆転のためには施策の絞り込みと、そこへのエネルギーと金の集中が必須だからです。 しかし、実際には負けている理由を的…
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<第1回>逆転のアクセルになった「たっすいがは、いかん」
キリンがスーパードライの波にのみ込まれつつあった1995年、45歳だった私は社内でも最下位クラスの“ダメ支店”であった高知支店に支店長として赴任しました。直前は本社で量販本部担当の部長代理でしたが、…