ニッポン過労死の現場
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<5>元気のない後ろ姿見送った…死を受け止める家族の苦悩
夫を見送った最後の朝は1996年2月14日、バレンタインデーだった。 「主人は午前0時までに帰宅することは少なかったから、この日も朝、『お父さん、はいチョコレート』って渡したんです。いつもだっ…
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<4>安倍政権肝いり「働き方改革」でも残った“残業代ゼロ”
安倍政権が働き方改革の一環で長時間労働の見直しを進める最中、電通女子社員が自殺した。はたして、安倍政権の働き方改革で過労死対策は十分なのか。 現行法では、労働時間は週40時間、残業時間は月4…
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<3>デキの悪い中年部課長の存在が過労死を招く
「ウチの会社では、毎月の残業時間が80時間を超えると、強制的に産業医の面接を受けさせられます。社員が『何でもありません』と反論しても、たとえば、『1カ月休養しなさい』などと厳命が下る。それが3カ月のケ…
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<2>裁判沙汰になっても…企業は保険で「1円」も損しない
過労死は祖父や親の世代にもあったが、賠償は1億円以上の高額な慰謝料が目立っている。26歳女性従業員の過労自殺をめぐるワタミ訴訟も昨年の東京地裁で、1億3400万円で和解が成立した(表参照)。 …
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<1>過労死予備軍で危ないのはバブル崩壊後入社の管理職
大手広告代理店・電通の女性新入社員は、昨年10月に130時間、11月に99時間残業し、クリスマスに自らの命を絶った。日本では昨年、2万4025人が自殺している。このうち2159人は「勤務問題」が原因…