春風亭小朝 大いに語る
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お客さまに芸を感じさせ、どう気持ちよく帰すかが第一
最後に、小朝は今後どんな落語を演じようとしているのか聞いてみた。 「まず、お客さまに芸を感じさせることですね。そして、バロメーターの針が振り切れるような笑いを提供したい。それから、ひと昔前は『…
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新しい才能のため 落語界を魅力のある世界にしていく使命
小朝は最近、独演会だけでなく寄席に出る機会を増やしている。弟子の橘家円太郎、五明楼玉の輔、春風亭勢朝、いなせ家半七らがトリを取る時に中入り前に出て花を添えるのだ。 「僕が出ることで少しでもお客…
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落語も料理も技術に裏付けされた芸がお客さまを育てる
小朝は落語界一の着道楽として知られている。女性ファンに言わせると、独演会にどんな着物で登場するか、毎回楽しみにしているという。確かに小朝はいつもおしゃれな高座着を着ている。思えば師匠の春風亭柳朝が衣…
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談志の死後 「芸」がない回転寿司的な落語家が増えている
二つ目時代から小朝を高く評価していたのが立川談志である。36人抜きで真打ちに昇進した当時、談志は落語協会理事で、理事会で昇進を強く推した一人であった。 その談志が死んで5年半たつ。 「…
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落語家が増えても戦力になる人がどのくらいいるかが大事
近年落語家が増殖している。現在、東京だけで600人を超す。 そんなに数が増えて、食べていけるのかと心配になる。現状を小朝はこう語る。 「そこそこ生活できてるみたいですけど、話を聞いてみ…
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入門わずか10年 36人もの先輩を追い抜いて真打ち昇進
今回は小朝の落語家としての足跡をたどっていきたい。 1970年に15歳で春風亭柳朝に入門し、前座名は小あさだった。私は柳朝の一代記「江戸前の男」を書いたほどの柳朝ファンなので、弟子の小あさに…
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時代劇の声のトーン、台詞の句点の使い方「これ、落語に使える」と
今年放送されたNHKBS時代劇「雲霧仁左衛門」で、小朝は初めて悪役に挑んだ。中井貴一扮する盗賊、仁左衛門を敵と憎み陥れようとする藤堂藩江戸家老の役である。これまた役作りに凝った。ある意図があって額に…
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大河の現場で気づいた いい男は浴衣でも温泉客に見えない
2014年、大河ドラマ「軍師官兵衛」で明智光秀を演じることになり、役作りのためダイエットを始めた。光秀は体もシャープでなければならないと考えたからだ。 「徐々に落とすつもりでいたら、予定より早…
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初時代劇は「三匹が斬る!」 その後NHK大河ドラマ出演へ
小朝は近年、時代劇ドラマに出演し、演技力が評価されている。初めての時代劇出演は高橋英樹、役所広司と共演した「三匹が斬る!」だった。テレビ朝日系で1987~95年に第7シリーズまで放送された人気ドラマ…
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落語を聞き小説を読もうと思った方が多くてうれしかった
1980年に異例の36人抜きで真打ち昇進して以来、花形落語家として人気を維持している春風亭小朝。近年は時代劇ドラマに出演し、俳優としても高い評価を得た。そこで今回は落語の話にとどまらず、出演したドラ…